第48話-また1日が始まる-
「ん……」
雅が目を擦りながら起きると窓の外は朝日が照らしおり、朝なのは間違いない
それは雅に取って良く寝れたとも言える事なので雅自身も嬉しかったのだが
雅が隣のベットを見た時にはリノエがいない
その事に気づいた雅は慌てて起きようとした時……それに気づく
「……もう、朝ですか?」
雅の横でリノエが裸で寝ている……
もちろん、雅は服を着ているので何かあったわけではない
しかし、そんな状況に雅は少し混乱しながらリノエに言う
「え、えっと……どうして私のベットに?」
「え? あ、ああ……それは」
昨日、リノエは自分のベットで寝た後
すぐ、起き上がり……もう一度、雅の寝顔を見に行った
もちろん……寝顔を見た部分は雅に伝えていない
その後、リノエは寝ぼけていたのか服を自分のベットの上に脱ぎ捨て
雅のベットに潜り込み、一緒に寝てしまった
「……寝ぼけていたんですね」
「そ、そうなんですか……とりあえず、服を着てください」
「はぁい」
リノエは裸で自分の服を取るためにベットから降り、自分のベットの上の服に
手を伸ばした、その時……部屋の扉が開けられ
中に入って来たのは、笑顔のクラウ
「おはよう……? どうしたんだ? 雅ちゃん、そんな所にたって」
クラウが扉を開けると同時に雅はリノエの前に立ち、リノエを隠し
雅はクラウに向かって笑顔で話かける
「お、おはようございますっ、えっと……着替えようかなぁって」
「着替える……? 雅ちゃん、何か新しい服でも買ったのかい?」
「え、えっと、ほら……弓とか矢を背負わないと……」
「ああ、なるほど……でも、それは着替えるとは言わないようなぁ」
「と、とりあえず……女性の部屋にノックもしないうえに着替え?
の邪魔をするのは、よくないと思いますが……」
雅は細めでクラウを睨むとクラウは慌てて、部屋の外に出、扉を閉め
扉の外側から雅の声をかける
「ご、ごめん……俺、宿屋の外にいるから、準備できたら来てくれ」
「はーい」
クラウが行ったのを確認すると雅はリノエの方へ振り向き、溜息を付く
「ふぅ……危なかったですね」
「あ、ありがとうございます、危うくクラウに裸を見せる所でした」
「いや、うん、もう見ちゃってるんだけど」
その言葉に雅とリノエは慌てて声が聴こえた方へ振り向くと
そこには扉を開け、中を見ているリーナが笑顔で立っている
「リーナさん……クラウさんかと思いましたよ」
「……なになに、もしかして昨日の夜は2人でイチャイチャしてたの?」
『してません!』
雅とリノエの声が同時に同じ言葉を発するとリーナは笑いながら2人に手を振り
扉を閉め……宿屋の外へ向かって行く
「……変な誤解をされる所でした」
「すみません、朝からご迷惑をおかけして……」
「い、いえいえ、リノエさんが悪いわけでは」
雅が慌ててリノエに言うと、リノエは手早く着替えを始めている
その様子を雅はベットに座り見ていると、リノエが恥ずかしそうに言う
「あ、あの……あんまり見ないでください」
リノエは顔を真っ赤にしながら着替え、雅に横目でそういうのを見た
雅は少し嬉しくなり、笑顔でリノエを見ると……リノエは呆れ顔で雅に言う
「なんですか……もしかして雅は同性の裸を見るのが好きなんですか?」
「あ、いえ、違います……私は普段、冷静なリノエさんと違う一面が
見れて嬉しいなぁって……そう思ったんです」
その言葉にリノエは着替え終わり、頭のカチューチャを綺麗に付けると
笑顔で雅に言う
「そうですか……まぁ、たまにはいいと思いますよ
ただ、今度は雅の着替えを見せてくださいね」
リノエはからかうように雅にウインクすると自分のベットを丁寧に直し
雅に手を伸ばすと、雅はその手を取り立ち上がる
「……リノエさんって意外にお茶目なんですね」
「違いますよ」
リノエは両目を閉じ、微笑むような態度を取りながら慣れた手つきで
雅のベットを綺麗に直すと、両目を開け、部屋の扉の方へ歩きながら
雅に声をかける
「……雅、今日も何があるかわかりませんが、頑張りましょうね」
「はいっ!」
リノエは部屋の扉をあけると雅を先に部屋の外にだし、その後に自分が出ると
ゆっくりと部屋の扉を閉め……宿屋の外に向かって歩き出す




