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始まりの異世界  作者: てぃあべる
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第5話-出会いは突然に-

隣を歩いている雅はリノエを横目で見るとある事に気づく

それは……自分より身長は高く160cmを超えているぐらいなのだが

体はモデルみたく細く、弓矢と剣、盾を平然と持てるのが凄いと思い

雅はリノエに聴いてみる事にした


「あの……リノエさん、弓矢を持って貰っちゃって申し訳ないのですが

 それは……魔法の力を使って軽くしてるんですか?」


「そんなわけないですよ、大気のマナを使えるのは先程、説明した

 魔法結界の中のみで、それ以外では使う事なんてできませんよ」


「え……それじゃあ、やっぱり重たいじゃないですか

 私が持ちます、弓矢入っている籠を私に渡してください」


「大丈夫ですよ、それに……この籠の中には矢筒も入っていますし

 雅みたいな『非力』に人には重たいと思います」


非力……雅は少しだけムッとした顔をするが、よくよく考えると

雅自身、たしかに力はない、重たい物を持てるかと言うとそうでもない

唯一できる事と言えば弓を射る事ぐらい……それ以外は得意じゃない


「さて、そろそろ闘技場に付きます、契約と見学ぐらいはしていきましょう」


リノエはそう言うと闘技場……雅の世界で言う所のコロッセオみたいな感じ

その入口で茶色のフードを被った男性らしい人が受付で立っている

その人物にリノエは話かけると雅を呼ぶ


「……雅の大切な物を私に渡してください」


「大切な物……ですか?」


「そうですね、契約するにはお互いに大切にしている物を相方に渡し

 この運営側の認定員の前で証明しなくてはいけません」


「えっと……何が……」


雅は着ている制服のポケットやスカートのポケットを漁る

しかし……入っていたのはピンクのハンカチぐらいである


「……そのハンカチは大切な物ですか?」


「え、はい、これは誕生日にお母さんが買ってくれた物で……」


「そうですか……それを私に預けてくれることはできますか?」


「大丈夫ですけど……」


雅は少し寂しそうにそう言い、リノエに渡すとリノエは持っていた剣と盾を

地面に置くと両手で受け取り、笑顔で雅に言う


「大切に預からせていただきます」


そういうとリノエは右手の腕部分に巻き、蝶々結びをする

そしてリノエは頭のメイドのカチューシャを取り、雅に渡す


「それは私の命の次に大切な物なので大切に持っていてください」


それを受け取った雅は頭に付けず……手に持っているとリノエに言われる


「……さすがに頭に付けても似合わなそうなので、上の服のポケットに

 入れてください、けっして無くさないように!」


「はいっ」


雅はリノエに言われた通り、カチューシャを折りたたみ、ポケットに仕舞う

それを見たフードの男性は2人に言う


「カチューシャとハンカチ……たしかに我が確認し認証した」


すると、その男性は右手を前にだし広げると青色の円状の魔法陣が広がる

その大きさは掌サイズだが、その魔法陣には細かい文字がびっしりと書かれている

それに驚いた雅は慌てながらリノエの左腕の服を引っ張るとリノエは

左手でその手を取り、笑顔で、それも小さな声で言う


「大丈夫ですよ、安心してください、ただの認証魔法陣です」


「で、でも……魔法結界? の中でしか使えないんじゃ」


「運営側は使えるです、もちろん……攻撃系は使えないみたいですが」


そういうとリノエは地面に置いた剣と盾を広い、右手に持つ

その直後、2人の目の前で魔法陣を展開した男性から魔法陣は消え

その男性はなにやら茶色の紙に何かを書き、リノエに渡す


「これが契約の証、証明書だ……無くそうがこちらで管理している物の

 コピーだ、証明の証にでも持っておくといい」


「ありがとうございます」


リノエは男性にお礼を言うと、それを受け取り、歩き始める

雅はそれに続き、リノエの後ろを歩きながら……闘技場の中へ進む


そして開けた場所まで来ると……そこは周囲を取り囲む観客席と中央に大きな広場

広場には薄い青色の何かがあり、それが結界なのだと雅は思う

その場所にリノエと雅が立っていると、銀色の鎧を着た男性に話かける


「よっ、リノエ」


「……よっではありません、あなたが雅の本当の『契約者』なのでしょう?

 私に任せてばっかりじゃなくてちゃんとしてください、ご主人様」


「え?」


リノエのその発言に驚く雅を余所に目の前の男性は雅の前まで来ると

笑顔で右手をだし、握手を求める

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