第47話-路地裏の話し合い-
宿屋を出た3人は人通りの少ない路地裏に入ると
クラウを掴んでいた手を離すと、クラウは頭を地面に打ちつけ地面に寝ると
すぐ起き上がり、胡坐をかくとリーナとリノエに言う
「っ……わざわざ、あそこで外に出る必要があったのか?」
すると2人は腕を組みながらクラウを笑顔で見下ろし言う
「だって……女性に太ったって言ったわよね?」
「ですね、まったくクラウはデリカシーと言う物がないですね」
「……それは悪かった」
クラウは2人の言葉を聴くと素直に頭を下げ謝ると
リノエは溜息をはきながら、クラウに真面目な顔で話かける
「まぁ、その話は置いといて……雅の事です」
「雅ちゃんがどうかしたのか?」
「……雅の魔法がどんなのかわかったんですか?」
「……多分だが、『風』か『衝撃系』だな」
「たぶん? クラウは一緒に戦っててわかんなかったの?」
リーナはクラウの言葉に疑問を浮かべるような表情で話かける
それを横目で見ながらリノエは再度、クラウに話かける
「……風、または衝撃、2つはまず在りえないので1つですね」
「それはそうなんだが、ロナリィの鎧を砕いた矢の先端は折れてなかった
だから、風だけの魔法であそこまでとは言えないな……」
「風魔法って風を操って相手を攻撃するような魔法よね?」
リーナはクラウの言葉に質問するように言うと、リノエがそれに答える
「ですね……ただ、風と言っても、切り裂くような『疾風』
叩きつけるような『衝風』、自分を守る『守風』と分類は違います」
「え……それって全部、同じ風魔法じゃないの?」
「まぁ、わかりやすく言えば、この人……クラウは炎を武器に付加できますが
炎を相手に飛ばしたり、自分を守るために使ったりはできません」
「なるほど……風魔法と言っても種類は別れてるのね
あれ? でも……風魔法系の『衝風』だっけ? それなら……」
そのリーナの言葉にクラウは座ったまま腕を組み、答える
「いや……それならロナリィは吹き飛ばされていたはずだし
何より、ロナリィを一撃で気絶させたほどの威力だ
それを風魔法だ、と断定はできない」
「そうなんだ……魔法って難しいのね」
「ロナリィは魔法を使えないのかい?」
クラウの質問にロナリィは首を横に振り『私は戦わないからね』と答えると
リノエは腕を組んでいたのをやめ、クラウを右手を伸ばしながら言う
「まぁ……そのうち、雅の魔法の正体がわかるでしょう」
「それもそうだな……」
クラウはリノエの手を取り、起き上がると笑いながらリーナがクラウの背中に
周り込み、クラウを押すと……クラウはリノエに抱き着くような感じになる
『……メイドさん、もしかして……』
しかし、リーナの考えを余所にリノエは顔を赤くするわけでもなく
両目を閉じ……ワナワナをイラツキを表すような態度を取っている
それに気づいているクラウは慌ててリノエから離れ、謝る
「悪かった! って言うか事故だ、リーナが押したせいだろ……」
「……それもそうなんですが、私はクラウのメイドであって
クラウに恋愛感情があるわけじゃないです、それを勘違いしないでください」
リノエはクラウではなく、リーナに睨みつけるように言うと歩き出し
少し歩くと後ろを付いてくる2人の方を見ると、話かける
「私は雅と寝ます、クラウはリーナと寝るなり好きにしてください」
「いやいや……俺は1人でいいよ
まぁ……リノエが変わってくれるなら大歓迎だがな」
「それはありません
でも、雅が心配して外に出てきても困りますし、さっさと戻りますよ」
「了解」
クラウとリノエは話ながら宿屋に戻るため歩き出す
その話に割り込む事なく、リーナは黙ってその後を付いていき
同じ宿屋に一部屋借りる
そしてリーナは部屋に入ると……服を脱ぎ、下着だけになると
ベットに入る、目を瞑り考え事を始める
『あの2人は……そういう関係と言うより、兄弟みたいな物ね
ただ……雅への感情はわからないけど……まぁ、楽しそうだからいっか』
そう考えた後、リーナは眠り付く……
それと同じくして、リノエは雅の寝ている部屋に入ると……
リノエは雅に近づき、雅が寝ているのを確認すると、雅の頭を撫で
リノエは自分のベットに入るため、頭のカチューシャを取り
ベットの毛布の上に置き……リノエはベットの中に入ると
雅の方へ向き、心の中で思う
『私が守ってあげますからね……クラウではなく、私が必ず』




