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始まりの異世界  作者: てぃあべる
42/70

第42話-その先の真実に向かって-

「ん……ここは?」


雅は目を覚まし、ベットから起き上がる

すると安心した顔のクラウが椅子に座っていた


「よかった……急に倒れたから吃驚した」


「え? 私倒れたんですか?」


雅はキョトンとした顔でクラウに言うと

クラウは縦に首を振り、頷き雅に真面目な顔で言う


「……そうだね、戦いが終わってすぐに……」


「そうだったんですね……

 あ……そういえば、クラウさんがここまで運んでくれたんですか……?」


「そうだね」


クラウが微笑みながら頷くと雅はベットから足を降ろし

クラウの顔を見ると様子が気になったのか雅はクラウに質問する


「あ、あの……大丈夫ですか?」


「ん? 大丈夫だけど?」


クラウは笑顔で雅にそう答えるが……どこか、雅には

クラウの様子が可笑しく思い、再度クラウに言う


「えっと……何かありました?」


「……何もないよ、そう……何もない」


クラウは下を向き、両手を膝の上でクロスし握る

雅はその後、何も言わず……只々時間が過ぎていくように思った時

クラウが口を開く


「……雅ちゃんは……魔法を使ったんだよ」


「え……?」


急にクラウが口を開き、雅に向かい発言した事に雅は少し驚き

雅はキョトンとした表情で聴き返してしまう

しかし、クラウはそんな雅を余所に喋り続ける


「たぶんだけど『風魔法』、雅ちゃんがどんな魔法を使えるのか

 わかって嬉しいけど……もう、使わないでくれ」


「……あ、あの……」


クラウの悲しそうな顔を余所に雅はクラウに話かける

クラウはそんな雅が気になったのか、頷き……雅に『何かな?』と聴くと

雅は首を傾げながら苦笑をし、クラウに言う


「私、魔法使ったんですか?」


「……ロナリィを倒す、最後の矢がそうだったよね?」


「……そうなんですか?」


「……そうだけど、もしかして記憶にない?」


「ないです、たしかに矢を放った記憶はあるんですけど

 どうやってそれをやったかはまったく……」


雅は両腕を組み『どうやったんだろう』と言った表情をすると

クラウは体を震わせ……また下を向く

その態度に雅は『どうしたんですか?』と聴くと……


「あははは、覚えてないか……なるほど、それならしかたない

 さっき、俺が言った事は忘れて欲しい、おねがい」


クラウは笑顔を浮かべながら両手の掌を顔の前合わせながら言う

雅はそれに頷き、『わ、わかりました』と答えた時

部屋の扉がノックもなしに開かれる

それに警戒したクラウは腰からロングソードを抜き、雅の前に立つ

しかし……扉を開けた者は両手の掌を左右に振り、クラウに言う


「私よ……さっき戦ったロナリィ、後……リノエと……もう1人」


「私はおまけなのね」


リーナがロナリィの後ろで嫌そうな顔で言うと、ロナリィは横目でリーナに言う


「だって、あなたの名前知らないし、だからもう1人」


「……リーナよ」


「そ、私はロナリィ、よろしくね」


「よろしく、ロナリィ」


そんなやり取りを余所にクラウを避けリノエは雅の前まで来ると

心配そうな顔で雅の座っているベットの毛布に両手を付き、

雅の顔を覗きながらリノエは雅に話かける


「大丈夫ですか……?」


「あ、はい……怪我もないですし、大丈夫ですよ」


「そうですか……それならよかった……」


「よくないわよ」


リノエと雅の会話に割り込む形でロナリィはそういうと

クラウを睨みつけるように言う


「……クラウ、あんたの魔法は何?」


「俺の魔法?」


クラウは持っていた剣を鞘に仕舞い、立ったままロナリィに聴きかえす

するとロナリィはクラウに詰め寄りながら言う


「そうよ! あなたの魔法! 剣圧とかどうでもいいのじゃなくて

 私のパートナーにやったあの魔法、それを教えなさい!」


「何もしてないさ」


クラウはとぼけるような態度でロナリィに言い返すと

ロナリィは今にもクラウを殴りそうな表情をする

しかし、ロナリィはクラウを殴る事なく……クラウに言う


「……火傷って言ってたから、火の魔法よね

 でも、火魔法だったとしても、人をあそこまで追い込むのは見たことない」


「火? 俺は……」


クラウが再度、とぼけるような態度でロナリィに言い返そうとした時

リノエが首を左右に振り、クラウに言う


「……丁度いい機会です、クラウ、話をしてしまったほうが楽ですよ」


リノエは入口の扉を閉めると、横の壁にもたれかかる感じで両腕を組むと

両目を瞑り……クラウの言葉を待つ

そのリノエの言葉に何かを納得したのか、クラウは天井を一度を見ると

ロナリィ達の方を向き、口を開く

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