第41話-宿屋に向かって-
ロナリィは街中をクラウ達を探して走り回る……
しかし……見つける事はできない
『……どうしよう、泊まってる宿屋に行ったとしても
どこかわからないし……闇雲に探しても……』
そんな状態でもロナリィは足を止めない
『あの事実』をクラウに聴くまでは止まれないから……
そんな思いが実ったのか、ロナリィの目の前にはリーナとリノエが歩いていた
その2人の目の前に回り込み、ロナリィは息を切らしながら言う
「はぁ……はぁ……ねぇ……クラウは?」
「……えっと、さっきクラウ達に負けた人よね?」
リーナは驚きの表情でロナリィに言い返すと
ロナリィはその言葉を無視し、リノエに再度質問する
「ねぇ! クラウはどこ?!」
「……いきなりクラウはどこと言われましても、理由もなしに
教えるほど私達は馬鹿じゃないですよ?」
「……それもそうよね、じゃあ歩きながら説明するわ」
そうロナリィは言うと、リノエの横に付き並走する
その行動に2人は少し嫌そうな顔をしたが
ロナリィの話を聴いてからでもと思ったのか、並走を許した
「で……クラウに話ってなんですか?」
「クラウの魔法について聴きたいのよ」
「魔法? クラウは使ったのは剣圧ぐらいですが……」
リノエは真面目な顔でそう言い返す
しかし……その言葉に納得していないのかロナリィはリノエに言う
「……違うわ、クラウが私のパートナーにやった魔法よ」
「……私は観客席に居たので良く見えなかったので
クラウがどんな魔法を使ったのか……わから」
リノエがそこまで言いかけた時、ロナリィは足を止めリノエに言う
「私とクラウがペアだった時、クラウはあんな魔法を使わなかった
で、今になって使ってる……あれはなんなのよ! リノエ」
「……わかりません」
「……もういいわ、私が直接クラウに聴く、それに雅の魔法もね」
「わかりました、クラウの件はよいのですが
雅が魔法を使ったのですか?」
「ええ、最後の一撃……あれはあきらかに『何か』の魔法が掛かってる
だけど、その魔法が『風』なのか、それとも別の何かがわからない
私は、それを雅に確認したのもある」
「雅自身が答えられるとは思いませんが……」
「それでも聴きたいだけ」
「……そうですか……それならついて来てください」
リノエはそういうとロナリィの前を歩き出す
ロナリィは無言で頷くとリノエの後を付いていく
そのリノエの態度を気にしたリーナはリノエの隣まで小走りを走ると小声で聴く
「……ねぇ、どうして案内するの?」
そのリーナの言葉に顔を横に向ける事無くリノエは小声でリーナに言う
「あの人の態度が真面目だった、それだけですよ
それ以外に……何もないです」
「そう、それならいいんだけど」
しかし、リノエの態度にリーナは気になる事があった
『……メイドさん、何か隠してるわね
クラウの魔法もそうだけど……それ以外にも何か……』
リーナはリノエに聴く事なくリノエの隣を黙って歩く事にした




