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始まりの異世界  作者: てぃあべる
35/70

第35話-連携と魔法-

女性の言葉に闘技場の中……中と行っても聴こえてるのはクラウ達4人だけ

しかし、その内の3人は唖然とした顔と共にしばらくの沈黙が続く……が

そんな状態に痺れを切らしたのか女性は喋りだす


「ねぇ、聴いてるの?」


「あ、ああ……」


クラウはその言葉にはっとした状態で生返事をする

そして、すぐ様……女性に言う


「じゃなくて! 結婚ってなんだよ!」


「だって、クラウはパートナーだとすぐ逃げちゃうし

 それなら、ほら……結婚しちゃえば……逃げられないでしょ?」


「……女って怖いね」


クラウは小さな声で雅を見ながら言うと、雅は苦笑を浮かべる

クラウのその行動を見て、さらにイラツキを覚えた女性は

腰からロングソードを抜き、雅に向かって突きつけ……喋る


「……あんたが元凶よ、私……いや、クラウの伴侶になる

 『ロナリィ・アイシュタイン』があんたを倒すわ」


ロナリィと言う女性が雅に向かって言った所でクラウは声に出さず

心の中で喋る


『この子の名前……ロナリィって言ったんだ

 まぁ、やっとわかってよかったけど……』


「おい、家のパートナーに剣を突きつけるのはどうかと思うぜ

 そういうのは、始まってからにしたらどうかな?」


「ふん……それならとっとと始めましょ?」


ロナリィと名乗った女性の横の男性は無言でクラウを睨みつける

しかし言葉を発することはなく……ただひたすらに睨みつける

その視線にクラウは男性を睨み返すと後ろを振り向き歩き出す

雅もそれに続き歩き出す……そしてお互い距離を取った所で

フードの男性が開始の宣言をする


「これより! ツヴァイ・ユニット・バトルを開始する!」


その言葉と同時にお互いが動くように思えたが……誰1人動かない

普通なら接近同士が走りぶつかるのが何時もの日常

しかし、今の状態に違和感を感じる観客は黙って見ている


『俺が前にでれば雅ちゃんが狙われる……

 だからと言ってここで護衛をしてるのは不利か?』


『クラウが動かない? 

 でも前に走り出せばあの弓の的になる、ならっ!』


「せっかく雇った傭兵なんだからしっかり働いてよね?」


「ああ、わかっている……」


そう男性は言うと斧槍『ハルバード』を構え、走り出す

その後ろに隠れるようにロナリィは走る


「わかってるじゃない? クラウの相手はまかせたわよ!」


「了解した」


相手2人がこちらに向かい走り込んできてるのを確認したクラウは

雅の前に立ち、武器を構える……しかし、そこでクラウはまた考えてしまう


『どうする……2人の接近を1人で止めるには分が悪い

 だからと言って雅ちゃんを1人にするには……』


そう思い、心配した顔で一瞬クラウは雅のほうを向くと

雅は既に弓を構え、斧槍の男性めがけ矢を放つ


しかし、その矢は速度は速くとも斧槍の男性に防がれる

もちろん……当たった所でかすり傷にもならないほどの筋肉をしている

だけど雅はまた弓を構え、男性に向けて打つ

それにより男性は防ぐ事に集中してこちらに接近できない


「雅ちゃん! 矢の無駄遣いになる、ここは接近を待って……」


「それだと……私は足手まといになります……だから

 ここで牽制ぐらいは……」


雅はそう言いながらも矢を矢筒から取っては打ち続ける

しかし、矢筒には一番始めにリノエが入れてくれた分しかあらず

このまま打ち続ければ……いずれ終わる

そんな、じり戦になる前にクラウは走り出す


「あーもう、やめた……難しい事を考えるのは勝ってからにする

 今は……あの2人をぶっとばす……!」


そう言いながらクラウは斧槍の男性が雅の弓を防いで瞬間に

ロングソードを振る、しかし……その攻撃はロナリィによって防がれる


「あまいあまい……それに……私の魔法、忘れてないわよね?」


「……しまっ」


『衝撃反射』


「衝撃反射」

ロナリィが使う魔法の1つ『強化系』に当たる

この魔法は相手の攻撃する力を衝撃に変え相手にぶつける

ただし、反射位置を指定できる物ではなくそのままの状態で反射するため

防がれやすいが……接近戦同士ではかなりのアドバンテージを取れる魔法の1つ


ロナリィの剣が薄い青色の光を放つとクラウはロナリィの横へ吹き飛ばされる

地面をすべりながらも……剣で防ぎ、ロナリィとの距離が開いたが

耐える事ができたクラウ、しかし……その光景に余裕を見せるように

ロナリィは笑顔を浮かべると、雅に向かって走り出す

それを追いかけようとしたクラウの目の前に斧槍の男性が立っている


「ちっ……」


「残念だったな、お前をここから先にはいかせない」


「ならっ! お前を倒すまで!」


「やめておけ……」


そういうと男性は斧槍を地面に刺す、すると男性の周りに岩の壁が無数に立ち

クラウ達と雅達の間に障壁ができた後、男性は両手でボクシングのように構える


「……おいおい、そんなに俺と雅ちゃんを一緒にしたくないのか?」


「……」


男性は無言でクラウに殴りかかるが、その攻撃を避けたクラウはある事に気づく


『……槍はあのまま……まさか、あれのお蔭で岩壁を……ならっ!』


クラウは体を回転させ、男性の横をすり抜けるように槍に向かい剣を振る

しかし、その攻撃は男性の右腕でよって防がれる

それも剣が男性の腕を斬る事はなく……血すらでていない


「っ……なんて頑丈な筋肉なんだよ」


「……お前じゃ俺は倒せない」


そうそれは、男性が持つ魔法の1つ

岩壁を作るだけではなく、その媒介となっている武器に宿った魔法

それは、自分の体を硬化させる……こう見ると魔法は2つに見えるが

岩壁の数によって男性の硬化が変わる、そのため1つの『強化魔法』となり

壁だと馬鹿にする者には一生解けない岩の牢獄となる


「……なら、俺も全力をだすしかないな」


クラウは男性から距離を取り、ロングソードを軽く右斜め下払うと

男性に向かいそう言うと……男性はその言葉に身構える

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