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始まりの異世界  作者: てぃあべる
31/70

第31話-巻き込まれる者、巻き込まれない者-

「しなかったって……お前は守らなくてもじゅーぶん強いだろ?」


「……それが理由?」


「ああ、それ以外に何があるんだ?」


クラウは何時も雅と話しているような優しい対応ではなく

どこか突き放したような……そんな対応

そして、雅がクラウの顔を見た時、まるで敵を見るような視線だった


「……ま、まぁ、私は強いから守られなくてもいいのはわかったわ

 けれど……この子を選んだ理由ぐらい聴いてもいい?」


女性は雅の事を右手で指さしながらクラウに言う

雅はその行動に半歩後ろに下がりながら女性を見る


その女性の髪型は薄い青色のセミロング、白い鎧を上下に着て

その上にから茶色のマント状の物を全体を覆いかぶせるように羽織っている


「お前には関係ないだろ、と言うかだ……

 敵になるかも知れない相手に情報を流す馬鹿がどこにいる」


「でも、私はあなたの元パートナーよ? それぐらい聴いても」


女性がそこまで言った直後、クラウは怒りながら女性に怒鳴る


「何が元パートナーだ! お前との関係なんてこれっぽっちもないし

 解除した以上仲良くする理由もない!」


「え……」


クラウのその言葉に反応したのは女性ではなく雅

雅はクラウの言葉に少し泣きそうになる

それを見たクラウは慌て、両手を雅の両肩に置くと、笑顔で言う


「いやいや、雅ちゃん……こいつの話であって、雅ちゃんの事じゃないよ?」


「で……でも、解除したら仲良くする理由はないって事は……」


クラウは右手を雅の肩から自分の頭の裏に回すと頭をかきながら

小さな声で雅の耳元で言う


「俺は雅ちゃんの事が好きなんだ、だからずっと仲良くしたい」


「……え?」


それを見た女性は体を震わせ……クラウに怒鳴りつける


「もういいわ! 決闘よ! クラウとその子! 私もパートナーを用意するわ」


そう言った後、女性は店の外に出て行ってしまう

その光景をしばらく黙って見ていた店員の女性が慌てた感じでクラウに言う


「あ、あのー、あなたは先ほどの女性のお知り合い?」


「え? ああ、そうだけど……」


「あの子、お金払ってないんだけど、代わりに払ってくれる?」


「は?」


クラウは嫌そうな顔をしながら女性の店員にお金を払う

その間に雅は辺りを見ると、ヒソヒソ話をしながらクラウと雅に注目している

お客に雅は頭を下げると恥ずかしそうにリノエ達が座っている場所に行く

リノエとリーナはクラウ達の話を聴きながら座り、飲み物を飲みながら

遠巻きに見ていた、それに突っ込むような形で雅はリノエの隣に座ると言う


「2人共……何時の間に……」


「クラウと女性が話をしてる最中ですよ、あの人なんて名前だったかしら

 まぁ……巻き込まれたくなかったのでとっとと逃げました」


「メイドさんと同じ」


リーナはリノエの言葉に頷くと、持っていた白色のカップで何かを飲む

その直後、クラウはリーナの隣に座り、リノエとリーナに言う


「お前ら……少しは助けてくれてもいいだろ……」


「嫌ですよ、クラウの彼女扱いされるだけでもメンドクサイのに

 リーナと私がいたら……余計に嫌な事がおきます」


「え? メイドさんってクラウの彼女だったの?」


「違いますよ、あの女性が勝手にそう思って

 私に嫌がらせしたような記憶が少しあるだけです」


「そうなんだ……でもさ、なんで名前を憶えてないわけ?」


その言葉にクラウとリノエはお互いの顔を見ながら

リーナに同時に言う


『そんなの記憶に残っていないから』


その言葉を聴いたリーナは溜息を付きながら雅を見ると

雅は弓を肩から降ろし、膝の上に斜めに置いている

まるで自分には関係ないようなその態度にリーナは少し

驚きながら、飲み物に一口……口を付ける

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