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始まりの異世界  作者: てぃあべる
29/70

第29話-4人一緒に-

「あ……あの……何をしてるんですか?」


雅は店に入るなり驚いた顔をしながら座っているリノエとリーナに話かける

するとリノエは雅に気づき……その場から立ち上がり雅に話かける


「いえ……ただ座ってただけですよ?

 それで、そろそろお腹空いたのですが、お昼とかは買ってきてくれました?」


『あ』


雅とクラウは同時にそういう……それはフリーマーケットの武器屋の事で

満足し、そのまま服屋まで歩いて来てしまった

もちろん、雅もクラウもお昼を食べてない


「なんですか……その『あ』って……明らかに忘れていましたよね?」


「そ、そんな事ないぞ?! 雅ちゃんは俺を見つけてすぐにここに

 来たんだから……忘れていたわけじゃないぞ」


「……なるほど、では雅が両手で大事そうに抱きしめている

 『それ』はなんですか?」


リノエは雅が花束のように抱きしめている短剣入れを見ながら言う

それに目をやりながらクラウを明らかに動揺したようにリノエに言う


「そ、それはあれだ、雅ちゃんの護身用に用意した武器だ」


「へぇ……そうなんですかぁ」


明らかにリノエは睨むようにクラウを見ながらそう言っている横で

リーナは笑顔で雅に話かける


「それ……けっこう綺麗な武器だね?」


「え? わかるんですか?」


「もちろん、でも……その武器、少しだけ抜いてくれない?」


「……?」


雅はリーナの言葉に頷き、持っていた短剣の持ち手に手を伸ばし

抜くと、リーナは動揺して驚いてる表情で武器を見ながら言う


「これ……気持ち悪いぐらい文字が彫ってあるわね」


「う、薄くだから……そこまで気にならないですよ」


雅もその武器の文字を初めて見たように驚きながら言う

しかし、雅の眼から見た短剣の文字は『薄い』


「え? 薄い? すごく濃く掘ってあると思うんだけど」


その言葉に反応したクラウは雅の持っている武器を覗き込む


「たしかに、すごく濃いな……雅ちゃんには薄く見えるのかい?」


「は、はい……文字なんかより短剣の銀色が光っているように見えます」


「……それはきっと、雅がその短剣に気にいられてるんですね」


リノエは真面目な顔でそういうが

クラウとリーナはその言葉に頷く事はない


『これは何かの魔法か? それとも……持ち手を選んでいる?』


クラウは考え事をしながら武器を覗いているとリノエは溜息を付きながら

腕を組み、クラウに言う


「雅の眼はいいとして……どこでそのヘンテコな武器を?」


「……フリーマーケットの武器屋」


「はぁ……やっぱりですか、こんな武器……普通の店ではないですからね」


「まぁ……そうだな」


「で、いくらしたんですか?」


「タダ」


「……それは冗談ですよね?」


「冗談じゃない、本当にタダだ、雅ちゃんにも聴いてみるといいよ」


リノエは半疑った表情で雅に聴く


「雅、その武器はいくらで買ったんですか?」


「タダでした……」


「雅まで冗談を……ま、まさか……本当に?

 あのフリーマーケットでタダ?」


「だからそうだって言っただろ……」


リノエは驚いた表情で雅とクラウの顔を見ている

しかし、雅とクラウは真面目な顔でそう言う


その顔を見たリノエは驚く

フリーマーケットに『タダ』と言う言葉はご法度とだ

自分達の収入になる物をタダで渡すなんてこの世界ではまず、ありえない事だ

それを2人はそう言ったのだ……そして、嘘ついてるようにも見えない


「そうですか……まぁ、そういう事にしときます

 それで……リーナさん、よければあなたもお昼一緒にどうですか?」


「私も? いいの?」


「ん? 美人さんは大歓迎だ、女の子3人に囲まれるなんて嬉しい事だ」


「この人はクラウ、金髪の女性好きとでも覚えておいてください」


「了解……あれ? クラウってまさかあの……」


「その先は言わないで貰えるかな? 雅ちゃんには『まだ』内緒なんだ」


クラウはリーナに笑顔でそういうとリーナは言葉を飲み込み頷く

それを横目で見ながらリノエは雅に話かける


「さて、雅も一緒にご飯いきましょ?」


「はい」


そう言った後、4人は店の外に出、リーナは店の入り口の鍵を閉めると

4人で食事に行くために歩き始める……

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