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始まりの異世界  作者: てぃあべる
27/70

第27話-店の主人-

「どうしました?」


雅はクラウがなかなか店の外に出てこない事に気づき

店の中に戻り、立っているクラウに話かける

するとクラウは笑顔で雅に言う


「あ、ああ……ちょっとね、悪いけど、少しだけ待って貰ってもいいかい?」


「はい」


クラウは店の主人の男性に話かけるため、歩き……煙草を銜えている男性に話す


「……あなたは何者だ?」


「は? お前さんはいきなりなんなんだ?」


「さっきの行動……あれは簡単にできる芸当じゃない」


「何の事だ?」


「あれだよ、あれ」


裸の男性は誰かから毛布らしい物を貰うとどこかへ走り去ってしまう

それを見ながら煙草を銜えたまま煙草を上下に揺らすとクラウに言う


「……ただのストリップだろ? あいつが馬鹿なだけだ」


「……何を隠している?」


「なにも?」


店の男性はまるで先程の事を事故のようにあしらう

しかし……クラウから見たら、この男性がやった行為は『その程度』の事じゃない


「クラウ……さん?」


雅はまた店の男性に突っかかっているクラウに話かける

するとクラウは雅の声を聴こえていないのか……再度、店の男性に言う


「おいっ……あんたはツヴァイ・ユニット・バトルに参加してるのか?」


「してない、というかだ……さっきから心配そうに見ている嬢ちゃんを無視かい?

 お前さんは周りを見れないなら……話す必要はない」


その言葉にはっとした表情で横を向くと雅が心配そうな顔でクラウの顔を見ている

それにやっと気づいたクラウは笑顔で雅に話しかける


「……ごめんごめん、ちょっと気になった事があったんだ」


「そうなんですか?」


「まぁ……そんな感じ」


雅は先程の裸になった男性の事を知らない、それを説明しても

雅がわかるわけがないと思ったクラウは適当に誤魔化す事にした


「でも、まぁ……武器貰えたしさ、他の店行こうか」


「少しだけすみません」


クラウにそういうと雅は店の男性の前に立ち、話かける


「あ、あの……先程、クラウさんが言ってた事は本当なんですか?」


「ん? ああ、さっきの嬢ちゃんか、本当の事とは?」


「ツヴァイ・ユニット・バトルに参加してるんですか?」


「ふぅ……嬢ちゃんも気になるとだめな奴か……」


煙草をふかすと男性は店の中を見回す……先程の裸の男性がいた影響か

店から人はいなくなり、残っているのは雅とクラウだけ


「まぁ……嬢ちゃんの質問なら答えてやろう

 だが、そっちの金髪はお断りだ」


「な?!」


「……勝手に聴く分には文句は言わない、だが、質問はするな」


煙草を右手で取り、足元に煙草を落とすと踏みつけ

右肘をカウンターに置き、顎に手をやると、雅に言う


「で、さっきの質問の答えでいいのかい?」


「はい」


「参加してない」


「じゃあ、どうしてあんな動きが?!」


クラウが横から口を挟むと雅はクラウの方を向き、男性の答えを待つが

男性は両目を閉じ、まるでクラウが『そこ』にいないかのようにしている

それに気づいた雅はクラウと同じ質問ではなく、自分で考え質問する


「あの……あなたは昔何をしていたんですか?」


「傭兵、それだけだ……まだ、こんな馬鹿みたいな結界がないときは

 戦争が多かったからな、今となってはそんな物はない

 だからここで店を開いている」


「傭兵……それでいろいろ武器を持っているんですね」


「それは傭兵とは関係ない、この武器達は俺が買い付けた奴だ

 ちなみに『それ』は俺のだがな」


そう言って男性は左手で雅が花束のように持っているスペルエッジを指さす

すると、クラウはまた男性に質問する


「この武器はどんな武器なんだ? さっきの奴が言ってたように凄い武器か?」


しかし、男性はその質問に答える事はない

先程言った通り、男性は雅の質問だけ丁寧に答えている

それが気になった雅は男性に質問する


「……どうして私の質問に答えてくれたり、これをくれたりするんですか?」


その質問に男性はやや微笑み、何かを懐かしむように雅の質問に答える


「それは……礼儀正しい、それだけだよ」

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