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始まりの異世界  作者: てぃあべる
25/70

第25話-人は知らない所で決定権がなくなる-

リーナとリノエは作業を進め……型ができ、色染めまでできるとこまできた


「えっと……白と赤でしたっけ?」


「そうよ、それで……メインの部分を白? それとも赤?」


「雅に合うのは白じゃないかしら? 赤も赤で似合いそうな気もするけど……」


「……それなら私とメイドさんでジャンケンをしましょう

 私が勝ったら白、そっちが勝ったら赤、それでどう?」


「そんなんで決めたら雅に失礼な気が……」


「本人がいないんだからいいんじゃない?」


「……わかりました、それでいいですよ」


リノエは溜息を付きながら言う

リノエの本心は『雅がいる所で決めたかった』

しかし、雅が出発して今も戻らないと言う事は『何か巻き込まれた』

と思うのが正解、しかし……今リノエが動ければ目の前のリーナに疑われる

そして、リノエの頭の中では、今もリーナを信用できないでいる


「では、はじめましょうか」


「ええ」


「さいしょはー」

「ぐー」

「じゃんけんっ!」


お互いが出した手は……

リーナがグー、リノエがパー


「そっちの勝ちね」


「そうですね、あ……でも私が勝ったら赤……ですよね?」


「そう、メインは赤、裾の部分は白、これでいきましょうか」


「わ、わかりました……」


『雅、ごめんなさい』


リノエはそう思いながらリーナの作業を進める事にした

その頃、雅とクラウは……


「くしゅん」


「ん? 雅ちゃん、大丈夫?」


フリーマーケットを巡っていた雅はくしゃみをするとクラウは心配そうに

雅の顔を覗き込む、しかし……雅は首を横に振り、クラウに言う


「いえ……大丈夫です、でも……いろいろお店があるんですね」


「そうだね、武器屋もあるし、食事をする場所もある」


「武器屋を少し覗いてもいいですか?」


「ん? もちろん、いいけど……?」


クラウは雅にそう答えるが、内心では『雅ちゃんは武器に興味あったかな?』

と思いながら雅がよる大きなテント露店の武器屋に中に入っていく……


「クラウさん」


「どうした?」


「クラウさんってどんな武器が好きですか?」


「えーと……今持ってるようなロングーソードだったり、大振りの大剣とか?」


「……それなら、こーいうのとかですか?」


雅はテントの中に立て掛けておいてあるロングーソード1本を両手で持ち

クラウに見せると、クラウは慌てた感じで両手を自分の前で掌を開き、雅に言う


「そ、そうだね……たしかにそういう武器は好きだけど

 雅ちゃんには重たいかな? 置いてもいいよ?」


「あ、はい……」


「しかし、雅ちゃんが武器に興味があるなんて以外だったよ」


「あ、いえ、そういうわけじゃなくて……」


「じゃあ、どうして?」


「クラウさんの事を知りたいなぁって思ったんですけど

 クラウさんが興味ありそうなの武器ぐらいしか思いつかなくて……」


「なるほど……」


『雅ちゃんは俺の事を思って武器屋に寄ってくれたのか……

 しかし、残念ながら武器はさほど好きじゃない、けど

 雅ちゃんのお誘いなら、受けるのが礼儀だろう』


クラウはそう思いながら、立て掛けてあるバスタードソードを両手で持ち

斜めに持ちながら雅に言う


「どうかな? こっちのほうが強そう?」


「強そうですけど……クラウさんは大剣は得意なんですか?」


「1対1ならこっちのほうが得意だけど、闘技場なら

 ロングソードかな、やっぱり……」


そうクラウは言うと、バスタードソードを立て掛け

先程、雅が手に取ったロングソードを右手だけで持つと雅に言う


「こっちのほうがいいかな……でも、まぁ、今は買いなおす必要はないかな」


そう雅に笑顔で言うと……雅はよそ見している、クラウはそんな雅に気づき

見ている方向を見ると、そこには短剣ぐらいの長さの『ソードブレイカー』がある


「雅ちゃん、もしかして……あれが欲しいのかい?」


「あ、いえ……あの武器、不思議な形だなぁって」


「ああ、あれはね、ソードブレイカーって言うんだよ」


「そーど……ぶれいかー?」


「そ、ソードブレイカー、剣に付いているギザギザの部分で相手の剣を挟み

 へし折る武器なんだけど……知らなかったかい?」


「はい……」


「なるほどね、でも……雅ちゃんが接近された時にあると便利かも……

 よし、俺が雅ちゃんにプレゼントしよう」


「え……でも、あの武器……値段高いですよ?」


「え?」


クラウがソードブレイカーに近寄り、値段を見るとそこには紙でこう書かれていた


『1,000ベル』


「……ちょっと店員と交渉してくる」


クラウと店員の戦いが始まる……

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