第22話-クラウの事情-
クラウが雅を助ける少し前の時間……
クラウはお店の女性と話を続けていた
「で、水以外にも金取るのか?」
「取らないわよ……あ、お客さん、少し待ってて」
「はいよ」
クラウは女性が話をしているのを水を飲みながら待っていると
お客さんとの話を終えた女性がクラウに慌てた様子で話しかける
「今来たお客さんからなんだけど……弓を背負った女性を
何人かの男性が後ろからつけてるように見えたって……
もしかして、ミヤビさんの事?」
女性の話が終わる直後、クラウは店の外へ走り出していた
そのクラウに女性が大声で話かける
「ちょ、ちょっと! どこに行くの?!」
クラウは入口の右扉に手をかけながら、女性に言う
「……ちょっと散歩にいってくる、俺の水取っておいてくれ」
そう言った直後、クラウの姿はもうそこにはなかった
女性は呆れ顔でカウンターのテーブルに両膝を付き、顎に両手を当てると
心の中で思う
『まったく……散歩に行くのにあんな全力で走らないわよ
それに水1つぐらい、次来たら私が奢ってあげるわよ』
クラウは走りながら歩く人をすり抜けて行く……
しかし、雅を見つけられず……少し焦っていると声が聴こえる
その方向へ足を進めると、雅が4人の男性に囲まれ
両手を掴まれ、両足を持たれようとしたその時
クラウは両足を持ち上げようとした男性に駆け込んでいる
『俺はまだ雅ちゃんのスカートの下を見てないんだ!
お前らに先こされるかよっ!』
その思いだけで、1人を気絶させ……もう1人の男性を吹き飛ばす
だが……クラウの心の中は雅を助けるよりも……別の思いがあった
『……ふざけんなよ、俺はまだ遠慮して雅ちゃんにあんまり触ってないのに
こいつらはベタベタと……潰してやる』
「クラウさん!」
雅の泣きそうな顔と声を聴き、クラウは笑顔で雅に笑顔で言う
それは雅を安心させるための物
「やっ、お迎えにきたよ」
しかし、状況はよろしくない、何故なら雅は今だに両手を掴まれ
クラウが倒したのは足を掴もうした変態……もとい男
「そこから動いたら……この子が裸になっちゃうぜ?」
雅の右手を掴んでいる男性は微笑みながらクラウを脅す
しかし、クラウは嬉しそうに雅の右手を掴んでいる男性の顔を
右手で殴り吹き飛ばすと笑顔で言う
「……それは嬉しい限り……じゃなくて、速くその手を離せ」
「ちっ……いつまでもしゃがんでないで起きろっ!」
左手を掴んだままの男性がしゃがんでいる男性に話かけた直後
雅はその男性の手を振り払い、クラウの後ろに回り込み、クラウに言う
「あ、ありがとうございます……クラウさん」
「いや、最後に逃げたの、雅ちゃんじゃん」
「それはそうですけど、逃げる隙を作ってくれたのはクラウさんです」
「そ、そう?」
クラウは雅の顔を苦笑を浮かべながら見ると、そう言う




