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始まりの異世界  作者: てぃあべる
18/70

第18話-クラウの遊び事-

「さて……行こうかな」


クラウは雅とリノエと別れ、1人街の中を歩き……細い路地に入ると

道なりに進んでいく……すると、クラウの目の前には木目状の大きな建物が見える

その建物の2枚扉の入口の左右には若い男性2人が腕を組み立っている

その2人の男性にクラウは話しかける


「よっ……今日も繁盛してるか?」


「あ? ……ああ、クラウさんか、今日は割と人来てるよ」


「そうか……ここも前は人まったくこなかったのにな」


「そうすっね、つい最近からかな……」


「まぁ、いいや、中に入らせて貰ってもいいか?」


「どうぞ、クラウさんは頻繁に利用してくれるからお得意様っすよ」


クラウは右側に立っていた男性に右手を挙げ中に入る

中は木のテーブルが何個もあり、そのテーブルには椅子が2つ相対的に用意され

テーブル同士の間に木の敷居が用意されている


「いらっしゃい、クラウさん」


建物の中にクラウが入り辺りを見回していると

受付で案内をしてる女性がクラウは話かけられる


その女性の外見は茶色の髪のロングヘアー

服装は赤色のローブを着ており

ローブの下を見ることはできないが、フードは被っておらず

髪と顔はわかる、年齢は不明


「おっと、今日は誰にしようかな……」


「クラウさんってここ本当に好きよね、女性と話すだけなのに」


「いや、まぁ……あれだよ、気分転換」


「そうなの? これからも御ひいきに」


「いや、今日いっぱいでここに来るのはやめるよ」


「あら……それはどうして?」


「好きな子ができたんだよ」


「それって、前に向かいに来て殴られたあのメイドさん?」


「違う違う……他の子だよ」


「クラウさんが好きになる子って……どんな子なの?」


「それよりも……さっさと案内してくれないかな?」


「あら? 私じゃ不安?」


受付の女性はテーブルに両肘を付くと笑顔でクラウに言うと

クラウは笑顔で言い返す


「いやいや、お金を払わなくても良いなら大歓迎だ」


「別にいいんじゃないかしら? クラウさんは常連さんだし

 今なら、私の後ろに椅子1個あるからお話しましょ」


「了解」


クラウは受付の女性の裏手に回り、椅子に座る、その椅子は背中を支える部分が

あり、受付の女性が座っている椅子より高級な物に見える


女性はクラウのほうを見ず、前を向いたままクラウに話かける


「で、クラウさん、どんな子を好きになったの?」


「……それを聴くためだったのか」


「ええ、そのとおり……それに、気になったんだからしかたないでしょ?」


「まぁ……その子を事を言いふらされたくないから簡単に言うが

 一番不人気と言われた弓を使う子だよ」


「あ、もしかして『雅』って子?」


「……なんで雅を知ってるんだ?」


「え? 今有名よ、ほら……これ、見てみなさい」


女性はテーブルの上に置いてあったチラシらしき物をクラウに渡す

それはこの街の人が作っている物で、最近の出来事をまとめた物である

クラウはそのチラシを見ると、チラシの真ん中に大きく、こう書かれていた


『弓を使う少女参戦! その写真を公開!』


「……えっと、名前はココノエミヤビ、メイド服の女性と参加したバトルにて

 弓とも思えない活躍し、場内を騒がした、この人物の情報、居場所

 使っている弓をどこで手に入れたかわかった方がこちらまで……」


「ね? 有名でしょ?」


「弓を使っているのを馬鹿にしていた連中の掌返しだな、これは」


「あはは、それはそうかもね、弓とか遠距離武器は役に立たないって評判だから」


『まぁ……雅の弓の使い方が上手なだけで、他の連中があの弓を使っても

 上手になる保障なんてないんだけどな……』


クラウはそう思いながら女性に水の入った木のコップを渡され、それを飲む

すると女性は微笑みながらクラウのほうを見ると言う


「あ、その水、1ベルね」


「ぶっ」


クラウは口に含んだ水を吹き出しそうになり、慌てて飲み込み

女性に呆れ顔で言う


「おい……金取るのかよ……」


「飲んだ方が悪いってやつよ、まぁ、その子の事を知っているのなら

 守ってあげなさいよ」


「わかってる、まかせておけ」


クラウは女性に右手の親指を自信満々に立てると真面目な顔で言う

女性は『よろしい』と笑顔で言うとまた前を向きながら思う


『クラウ、このミヤビって子知ってるのね、良い情報ゲット

 と言いたい所だけど、今回はクラウの顔を立てて黙っててあげるか

 でも……少しはお金をもらわないと私が怒られちゃうし……ごめんね、クラウ」

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