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始まりの異世界  作者: てぃあべる
15/70

第15話-クラウの実力-

クラウは逃げたフードの男を追いかける

追いかけられている男は走りながら後ろを振り向き、クラウに怒鳴る

夜中だけあって人通りはない街……そこで怒鳴っても聴こえるのはクラウだけ


「おいっ! 俺は何も取ってないだろ?! もういいんじゃないか?」


しかし、クラウはその男性の言葉を余所に走る速度を上げながら男性に言う


「いや、フードの下の顔を見てみたくてね、それに女性の寝込みを襲った罰は

 ちゃんと……受けてもらわないとね」


「あん? それは関係ないだろ……チッ、こうなったら!」


フードの男性はいきなりその場に立ち止り、腰からロングソードを抜き

クラウの方向へ向くと、クラウはその男性から少し離れた位置で立ち止り

立っている……しかし、クラウは武器を構える事はない


「どうした……武器を構えねぇのか?」


「……構えない、って言うか街中での戦いは禁止だろ?」


「殺さなければ問題ねぇんだよ!」


そう言って男性は剣を右手に持ちながらクラウに走り込んでくる

それをクラウは両目を閉じ、溜息を付くと、一歩前に出ると

フードの男性は剣をクラウに向かって振り下ろすが……

クラウは右手2本の指でその男性の剣を挟み、受け止める


「なっ?!」


「……どうした?」


「て、てめぇ……何者だよ……」


「おいおい……俺の事知らないのか? 新参者かい?」


「……」


クラウの言葉にフードの男性は黙り、剣から手を離すと走り

クラウから逃げるように路地裏に逃げ込む

クラウはその男性を追いかける事無く、持っているロングソードを回転させ

持ち手、柄の部分を持つと剣先を肩に当て……歩きながら独り言を漏らす


「さてっと……宿屋に戻るとするか、思わぬ臨時収入が入ったわけだし」


クラウは手に入れた武器を見ながらそう言うと宿屋を目指す

そして、宿屋に付き、自分の部屋に入ると剣をベットに立て掛けるように置き

眠り付き、数時間後……


「クラウ……クラウ、起きなさい、朝ですよ」


「……後、10分寝かせろ」


「……朝ご飯食べにいきますよ?」


「2人で行ってきていいよ、俺は疲れてる」


「そうですか……じゃあ、パートナー契約はこのままで食事に行ってきます」


「ああ、行ってらっしゃい」


クラウは『誰か』と話をし、その誰かは部屋を出ていき、扉を閉めると

扉の外側で女性と女性の話声が聴こえ、クラウは飛び起きる


「リノエっ! ちょい待った、パートナー契約だけは解除してくれっ!」


クラウは慌てながら武器を腰に、鎧を着、夜中に手に入れた剣を右手に持つと

慌てて部屋の扉を開け、リノエ達を追いかける


そして、数分後、街通りでリノエと雅を発見したクラウは息をはきながら言う


「お、おい……ちょっと待って……」


「……あら、食事も契約もいいのでは?」


「いや……両方いるから……」


リノエはその場で腕を組み、クラウが息を正すのを呆れ顔を待っていると

雅は微笑みながらリノエとクラウに話かける、雅の肩に弓、腰には矢筒

がちゃんと装備されており、準備はちゃんとできてるのを確認したクラウは

微笑んでる雅に話かける


「ん? 何かあった?」


「あ、いえ……2人は仲良しなんですね」


「そんな事はないよ、リノエみたいなメイドなのにここまでしてくれる方が

 珍しいんじゃないのかな?」


「……そうですね、主従契約はありますが……家の中の掃除や食事がほとんどです

 付いて回ったり、ここまで『貶す』のは私の特権ですね」


「特権って……まぁ、いろいろ世話になってるし感謝してるよ」


「そうですか……まぁ、主人らしくちゃんとしてくださいね?」


「はいはい」


クラウはそういうとリノエ達の横に並び歩き始める

少し歩いた所でクラウは足を止め、2人に言う


「おっと、ちょっとだけ武器屋寄ってくから、少し待っててくれ」


「わかりました」


「はい」


リノエと雅の言葉を聴いたクラウは武器屋の中に入り、店の主人の所まで

一目散に行くと、夜中に手に入れた剣をカウンターに置き、言う


「この剣を売りたいんだ」


「ん? ロングソード……新品か」


「ああ、30ベルぐらいになるか?」


「……25ベルでどうだ?」


「それで構わない」


「なんだ、値引かれてるのにいいのかい?」


店の主人はそう言いながらも25ベルをカウンターに置き、ロングソードを

自分の後ろに持って行って仕舞う、それを呆れ顔で見ながらクラウはお金を取り

店の外に向かうため、後ろを振り返ると右手をあげ、手を左右に振りながら言う


「それは拾い物だし、タダ同然さ」


そういうとクラウは店の外に出ていく……店の主人はクラウを見送ると

ロングソードを両手で持ち、眺めながら独り言を言う


「……拾い物か、それにしても新品を傷もつけずに手に入れるとはな

 あの男……たいした腕前だよ」

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