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仙士達の日常  作者: エル
小話
9/11

識と創子―サイド創子―

憎しみと愛情が両立するのは知っていた、

けれど、嫉妬と友情も両立するのだと知ったのは奴のせいだ。


「ねえ、創子。」

「なんだ?」

「どこにも…僕の知らない所に行かないでくださいね?」

「…は?」

…頼むから俺にわかる言葉で話してくれ。

お前といい、零誓といい、人を翻弄して楽しいのか…。


可憐に微笑む相手はただの友人。

まるで恋人に戯れるような言葉を時折投げてくるが、他意はない。

才華の一族独特の魅了の力と、こういった言動で魔性としかいいようのない男。

…何度注意しても全く理解せずに他者を魅了し、対人恐怖症にまでなりかけていた。


今もそう、勝手に人の部屋に来たと思ったら用件もつけずこちらを鑑賞。

他の奴だったら確実に誤解するぞ?

また押し倒されて重症にしたとか聞きたくないからな?


「僕は意外と友達思いなんですよ?」

「…お前、俺以外に友達いないだろう…。」


ある意味俺も深い付き合いはしないが、こいつの場合仕事が絡まないと誰とも話さない。

―――俺以外いない。

声も、瞳も、態度ですらそう訴えてくるから拒めなくなる。


友なのに、友なのに…俺が欲しかったモノ(術の才能)を当たり前に持っている識が嫌いだ。

零誓も、識も…あの女ですらそうだ。


どうして術師ばかり俺に構うんだ!もうたくさんだ!

…そう叫べたらどんなに楽だろう。

でも結局俺は…”興味なかった”って嘘で自分を騙すことしかできない。


だから気づかないでくれ、

嫉妬が混じった歪んだ友情しか返せない俺に。

ごめん、親友()


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