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仙士達の日常  作者: エル
小話
8/11

識と創子―サイド識―

恋心が怖かった、暖かな友情にひどく憧れていた。

―――彼と出会うまで。


「どこの隊の術師ですか?」

遠征部隊への補佐へと回されたその日、

見知らぬ術師の青年を見つけ、思わず名乗りもせず声をかけてしまった。

…次の瞬間、赤い瞳に睨まれたのも今となってはいい思い出。


怜悧な美貌と裾の長い白い外套、術師にしか見えなかった彼は暗器使いだった。

しかし、僕には彼がいまだ術師にしか見えない。

特に、今のように黙って本を読んでいると学者-彼の一族は学者が多い-に見える。

実際に彼の両親は有名な術師だったし、彼自身も術に対する知識は深い。

「ねえ、創子。」

「なんだ?」

「どこにも…僕の知らない所に行かないでくださいね?」

「…は?」

ずっと本に注がれていた視線がこちらに向く、

相変わらず綺麗な赤目は、僕の薄青の目と正反対でとても綺麗。


彼が僕の前で本を読むようになってどのくらい経っただろう?

隠し事ばかりの彼が、ほんの少し…本当の自分の片鱗を見せてくれたのは。


「僕は意外と友達思いなんですよ?」

「…お前、俺以外に友達いないだろう…。」

心底呆れた、と雄弁に語る瞳が嬉しい。

彼が間違いなく僕を友人としてみてくれている証拠だから。


だから早く気づいてくださいね、

君が彼女を好きなら、僕は彼女への想いを捨てますよ?

だって、僕は恋心(深栄)より友情(創子)をが大事なんだから。

ね、親友(創子)を。



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