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仙士達の日常  作者: エル
小話
5/11

王維と零誓―サイド零誓―

「小さい…。」

「あなた死になさい!」


天上の華とすら評される美貌。

史上最年少で全ての術を体得した才気。

第一神位にして、死者の国を治める神、縁の直系たる家柄。

誰もが羨む存在であったのに…。


生まれて初めて、私に屈辱を与えたのは一人の少年だった。

少年と言っても、私と同じ仙士であるため、その姿と年齢は一致していない。

しかも彼は私と同じく、成長が完全に停止する型だ。

この型は仙士の中でもごく稀であり、同時に非凡な才能を示す。

特に私は、わずか十歳で成長を終えた身を誰もが賞賛してくれた。

その私にむかって彼は言ったのだ……小さい、と。


異端の存在に花達がざわめきだす。

訪れたのは、予想通り待ち人だった。

「遅かったわね。」

「指定された時刻にきたつもりだが?」

「予想より遅かった、そういう意味よ。」

顔の筋肉が麻痺しているのか、それとも情緒が鈍いのか。

表情の動かない瞳がこちらを見ている。

彼は全体的に薄い色彩を纏っているが、この瞳だけは濃い紫であるため、自然と視線は瞳にいってしまう。


何を考えているのかまるで理解できない瞳。


「相変わらず小さいな。」

「死になさい、愚か者!」

この前置きもなく暴言を落とすくせはやめてほしい。

おかげで何度殺しかけたか…。

そう、術士である私の攻撃を彼は一度もよけないのだ。

それこそ神速の性質を持つ彼なら全てよけれただろうに。


本当に理解できない男だ。







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