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仙士達の日常  作者: エル
小話
4/11

王維と零誓―サイド王維―

王維と零誓―サイド王維―


「小さい…。」

「あなた死になさい!」


これほどまでに贅を尽くした庭があるだろうか?

天帝の住まう天宮ですら、これほどの花々と建築物を目にすることはできないだろう。

百花繚乱、全ての花がここに集っているのではないかとすら思える。

仙士達はこぞって、この庭を「天上の華」と呼ぶ。

由来は花々ではない。


花に埋もれるように寝転び、手にした扇を弄んでいる一人の娘。


闇を表す長く艶やかな黒髪と、翡翠をはめ込んだような瞳。

もし彼女があと10年ほど成長を許されれば、天帝は天を滅ぼしてでも妻に迎えたとすら言われている。


「遅かったわね。」

「指定された時刻にきたつもりだが?」

「予想より遅かった、そういう意味よ。」

相変わらず、理不尽な答えしか返ってこない。

天上天下唯我独尊、挫折を知らない彼女らしい考えだ。


寝転んでいた状態から起き上がると、彼女に付いていた花が舞う。

髪についていた花も、一切絡まることなく落ちていく。


立ち上がっても、彼女の背は俺の肩までしかない。

少年の姿で時を止めた自分より小柄なその姿は、幼いとしか表現できない。

だが、その幼さこそが彼女の力を何よりも明確に誇示する。


自身の幼さを厭う少女。

けれど、

その幼さこそが、どうしようもなく愛おしい。


「相変わらず小さいな。」

「死になさい、愚か者!」


たとえそれが憎悪でもかまわない。


初投稿です、よければもう一人視点のほうもご覧ください。

本編となる長編は・・・いつか投稿できる・・・かも。

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