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この力は誰の為に  作者: 榎木ユウ
番外編
42/44

19.5 19話あの時の話

これは第二部19話の際に、web拍手に載せていたものの再録です。とても短いです。

(ヤバい、抱きたい)


 キスをして、唇を少しだけ離した後、夏生は、強烈な性欲に襲われた。

 火事場で死に目をみたからかもしれない。


 ギュッとちとせを抱き締めても、涙ぐんだ瞳のちとせは抵抗しない。

 まさか目前の男が良いこと言った後に盛ってるなんて思いもしないのだろうが。


(ゴメンナサイ、俺もまだまだヤリタイ盛りの男子高校生なんデス!)


 チュッと音を立てて、瞼にキスをする。


「部屋、あがっていい?」

 掠れた声で問えば、ちとせはこくりと頷いた。


(ヤバい。ヤッていい? ヤッていいよな?!)


「鍵、貸して」

 ちとせに鍵を促した瞬間、突然、ちとせが目を大きく見開いた。


「ちとせ?」

「!!!!!!」


 声もなくちとせがドアを凝視した瞬間、

「やっぱり、ちとせちゃん、帰って来てるんじゃない?」

と人の声が中からした。


 そして、ちとせの力でも、鍵を使うでもなく、ドアが自動であく。


 否、自動ではない。

 中に人がいたのだから。


「ちとせちゃん、おかえ.......」

 ちとせと同じ年位の、だけど、ちとせよりは柔らかな雰囲気の女性が笑顔でこちらを見て固まる。


 夏生も固まる。


 柔らかい雰囲気の女性の背後では、スラリと細身の女性が、ニヤリと笑って、「ちとせ~♪」と言った。


 その瞬間、我に返ったのはちとせが一番早かった。



 殆ど抱き合い、顔を寄せあう自分たち。


「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 悲鳴というにはあまりにも激しい声の後、夏生の身体が思いっきり吹っ飛んだ。


(ちょっ!!!)


 目前に見えたのは、両手、右足で、渾身の力を持って夏生を蹴飛ばすちとせの姿だった。


「ぐふっ!」


(力じゃなくても、半端ねぇ!!)

 というか、力で吹き飛ばされるよりも、腰も腹もどこもかしこも痛かった。



☆彡



 後日、夏生の腰をさする姿を見て、創が煩く騒ぎ立てたが、夏生は「煮えろ!」と叫んで、それを無視した。

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