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僕とアイツ 第0話
僕は浅香鈴と言う自分の名前が嫌いだ。
こんな女子みたいな名前、友達からはよくイジられるし、小学生の頃はこの名前のせいでいじめも受けた。
そして極めつけは、この名前以外にこれといった
特徴が何もないことだ。
学力は中の下。運動はそこそこできて、
クラスの中心的存在というわけでもない。
こんな普通すぎる高校生だから、
名前だけが悪目立ちする。
なんでこんな名前を付けたんだと、何度親を
憎んだことか。
しかしこんな僕よりも、このクラスにはもっと可哀想な奴が居た。
四宮黒羽。
あいつは頭はいいが体育はいつも見学だった。
そしてなんと言ってもあの名前!!
自分の名前に「黒」が入っているなんて、、、。
不気味でしょうがない。気に入っているはずがない。実際、四宮はいつも一人でいる。
そんなこんなで、僕は勝手ながら四宮に同情心を抱いていた。
しかし、まさか僕とアイツの間に
名前よりも遥かに特別で、ドロドロとしたものが
複雑に絡みついていることを僕はこの後思い知らされることになるとは思いもしなかった。
「 傷だらけのアイツに花束を 」




