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詩全集3

熟れる曲者

作者: 那須茄子

路地裏に落ちた無花果

熟れすぎた夜に向かって

腐臭を撒き散らす

マンカスチンカスも同然同罪


月光が滲んで鉄錆の味がした

これは誰かに殴られたからか

酩酊の群れに紛れては

飼い慣らされた獣を気取る

そんな野郎に俺は

一発食らったんだな

くそが、もう飽き飽きだ


ああ曲者だ

心臓の奥に巣食う

得体の知れない嫌悪が

血を這うように

この身体を突き動かす


ああ曲者だ

理性の鎖を引きちぎる 

本能の狂騒

夜闇に光る牙を研いで

獣道さえも踏み外す


虚ろな瞳たちが彷徨う先は

愛も絶望も等しく透明な牢

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