熟れる曲者
掲載日:2025/10/12
路地裏に落ちた無花果
熟れすぎた夜に向かって
腐臭を撒き散らす
マンカスチンカスも同然同罪
月光が滲んで鉄錆の味がした
これは誰かに殴られたからか
酩酊の群れに紛れては
飼い慣らされた獣を気取る
そんな野郎に俺は
一発食らったんだな
くそが、もう飽き飽きだ
ああ曲者だ
心臓の奥に巣食う
得体の知れない嫌悪が
血を這うように
この身体を突き動かす
ああ曲者だ
理性の鎖を引きちぎる
本能の狂騒
夜闇に光る牙を研いで
獣道さえも踏み外す
虚ろな瞳たちが彷徨う先は
愛も絶望も等しく透明な牢




