06 お金は大事
称号システム。
それは、βテストにも無かったものだそうだ。だからだろうか、町中がとても騒がしい。
称号を得たのは誰なのか。一体どういうものなのか。検証したいと言っているものはとても多い。らしい。
図書館の側では静かにして欲しいもんだよ、まったく。他のゲームプレイヤーが大声で騒いでるもんだから、建物の中まで声が響く響く。落ち着いて読書も出来やしない。
迷惑行為で通報してやろうかと思ったよ。
そもそもネオフロンティアというゲームは、リアリティをこれでもかと追及したゲームだと聞いている。実際、VRとしては本当によくできている。肌に感じる感覚や、聞こえてくる雑踏の雑音など。普通のゲームならば処理能力の都合上でそぎ落とされてしまいそうな要素までしっかりと盛り込まれているのだから。五感どころか六感までリアル、とは誰が言った言葉だったろう。
本の香りや手触りまで再現してくれているのは、とても良いことだ。読書好きとしてはたまらなく落ち着く。
しかしお陰で、おバカちゃんたちの大騒ぎまで聞こえるんだから、リアルなのも良し悪しだとも思う。
普通のプレイヤーなら、リアルなのは嬉しいことなのかもしれない。私も、騒がしさ以外はリアルな雰囲気に好感が有るし、香りもあるのは素晴らしいことだとも思う。
しかし、全てが全てリアルと同じかと言えば、そうでもない。ゲームとしての要素もしっかり盛り込んである。
例えば、ステータスだ。
普通に生活していたらあり得ないものだが、ゲーム内では自分の能力が数値化される。更に、それを加減することで身体能力まで変化するというのだからいかにもゲームである。腕力的なステータスで筋力が上がり、重たいものが持てるようになるとか、素早さ的なステータスが上がるとアクロバティックな動きが出来るようになったり。ここら辺が、リハビリにまで使われる理由なんだと思う。現実だと怪我が怖くて出来ない動きも、ゲームの中なら思う存分恐れずに出来る。ゲームで感覚を掴むと、リアルでも出来るようになっていく。ゲーム内では首がゴキっと折れそうになる心配も無いのでバク転が出来るようになって、リアルでやってみたら同じように出来るようになった、みたいな話は結構あるそうだ。だからこそ、元の体格を大きく弄ってプレイできないとかなんとか。
女の子になってみたかったなどという変態も居たそうだが、その点ではネオフロンティアというゲームは平和である。女体化は出来ない仕様なのだ。
また、ゲーム的な要素として、スキルというものがあるらしい。
剣を使う人間が特殊な剣技を使えるようになったり、生産活動を行う人間が素材を加工できるようになったり、或いは魔法を使えるようになったりするそうだ。
全部ダイちゃんの受け売りだが。
魔法とかは私もいつか使ってみたい。ファンタジー的な要素なので、少し憧れもある。
さて、何故こうもツラツラと設定を確認しているかと言えば、私が望まず手に入れた称号に、色々と付随するものがあったからである。
〇賢者
純粋に知識を追い求め、高みに昇ったもの。偉大なる知の探究者は深淵を友として我が道を行く。
☆取得条件
・ゲーム開始後から三日間戦闘を行わない
・ゲーム開始後から三日間生産を行わない
・ゲーム開始後から三日間採取を行わない
・ゲーム開始後から三日間補助を行わない
・ゲーム開始後から三日間売買を行わない
・セーフエリア内のみで三日間活動する
・?????
★効果
・魔法スキルの効果上昇(小)
・レアドロップ確率上昇(小)
・特定NPCへの好感度上昇(微)
・知力ステータス上昇(+5)
以上である。
私が最初に思ったことを正直に言おう。
要らん。
いやさあ、ゲームを真っ当に遊んでいる人なら嬉しい称号なのかもしれない。何もしてないのに知力とかいうステータスが上がってるし、魔法スキルの効果上昇?ってのもあるもん。真面目なプレイヤーならとても嬉しいものなのだろう。
でもさ、読書してれば満足の私からすれば、貰ったところでどうしろっていうのか文句も言いたくなるでしょ。
いや、だからこその称号ってやつなのか。簡単に手に入らないような設計になっているとかだろうか。βテストでは無かったということだが、無かったのではなく見つけられていなかっただけではなかろうか。
むむむ、知的好奇心が少し疼く。
ゲームを楽しむ人なら、ゲーム開始後に戦いもしない、物を作りもしない、薬草を拾いに行ったりもしないというのは、まず難しいだろう。
βテスターなんて人たちは、色々とやってみてなんぼの人たちらしいから、この称号を手に入れることは不可能だったろうな。どこぞの誰かさんみたいに、ゲーム開始したら真っ先にひゃっほいと戦いに向かう様が目に浮かぶ。程度の差こそあれ、βテスターなどというものになってまでネオフロをやろうとしてたのだから、じっとしている訳がない。
恐らく、他にも称号ってのは隠されているんだと思うけど、それを見つけられるようなプレイヤーがβテスターには居なかったのか。もしくは、本格始動後に導入されたものか。
どちらにせよ、このゲームで最初に称号を得たのは私ってことになる。なんてこった。また厄介な人に絡まれることになったらどうすりゃいいのさ。
よし、見なかったことにするか。
どうせ、私が称号を手に入れたと気づける人なんていない。そもそも図書館に引きこもってるわけだし、知り合いが増える要素も無い。
黙ってりゃバレないだろう。うん、そうしよう。
そう思っていたんだけど。
「よう、カレン」
図書館に引きこもって楽しい読書をしていたところに、幼馴染がやってきた。
「……称号を手に入れたの、お前だったのか。もしかしたらと思ってたけど、いやあ、驚いたぜ」
一発でバレた。
なんで!? なんで!?
大声を出しそうになって、慌てて口を手で押さえる。
「なんで分かったのって顔してるな」
こくこくと頷く。
あんた、いつの間に読心術覚えたのよ。私は絶対に何も喋っていないよ。
「へんてこりんな事件なら、もしかして変人代表のお前が関係してるんじゃないかと疑ったってのもあるけど、お前、プレイヤー名の表示、完全公開になってるだろ?」
「ん?」
何それ。どういうことかキリキリ白状しろ。さあ。変人代表とはどういう意味だ。
「設定で、プレイヤー名を見られるようにするかどうかを設定出来るんだよ。誰にでも見られるようにするか、フレンドに登録している人だけに公開するか、完全非公開にするか、選べるんだよ」
「へえ」
そんな設定があったのか。知らなかった。
いや、確かにあって当然の設定だよね。特に女の子にとっては、勝手に名前を変な人に知られるってのも気持ち悪いだろうし。いきなりナンパ野郎から名前呼びされるとか。うわ、ぞわっとした。このゲームの中には気持ちの悪い変態ナンパ野郎が居ることは証明されている。一人居たんだから、他にも三十匹ぐらい居るに違いない。ああ、やだやだ。
名前を見せびらかして有名人になろうって人じゃなきゃ、普通は隠すよね。
「より現実感を持たせる為に、他人の名前が見えないように設定することも出来るぞ」
「そっちはどうでもいい」
他人の名前が見えるかどうかなんて、名前を呼び合う陽キャの要素だし。他人と関わらない引きこもラーには、他人の名前はさして重要ではないだろう。
「で、そのプレイヤー名のところに、称号が表示されてる」
「本当に!?」
「マジだって。お前、賢者って称号を手に入れたんだな」
「ホントに分かってる……」
称号を取得したことだけじゃなく、称号の内容まで分かってるなんて。
こいつがエスパーでないなら、いう通り見えているだけなのだろう。
「だから、そういってるだろ」
「黙ってたらバレないと思ってたのに」
引きこもって隠棲してれば、本を読むだけで誰の迷惑にもならないはずだよ。黙ってればバレないと思ったし、私が黙ってれば世の中はそもそも称号などというものが有る事すら忘れる。そう思っていたというのに。
「名前を非表示にしてりゃ、バレなかったかもな」
「……早速非表示に設定しておこう」
ダイちゃんから聞きつつ、設定画面のタブを色々と切り替えてみる。名前を非表示にする設定は簡単にあった。
完全非公開にしておく。
これで頭の上に半透明のウィンドウが出ることは無くなっただろう。
「これでどう?」
「おう、見えなくなったぜ」
よし、ちゃんと設定出来たか。
「で、その称号。どうやって手に入れた?」
幼馴染が、興味津々で距離を詰めてくる。
「よく分からないけど、ずっと本読んでたら手に入った」
「……ほう」
かくかくしかじかと、称号のところに書いてある説明文を読む。
ゲーム内時間で三日間。リアルの時間で二十四時間。要するに、リアルで丸一日生産的な活動をせず、ダラダラニート生活してれば獲得できるということだね。
これで得られるのが賢者っていうのなら、このゲームの運営は相当に性格ひねくれてると思う。絶対これ、賢者タイムとか言ってネタにするためのもんじゃん。
「つまり、カレンが引きこもってたから、賢者って称号が付いた訳か」
「ニートって称号じゃなくてよかったよ」
「それな」
ダイちゃんがケラケラと笑った。お前、幼馴染を笑いものにするとはいい度胸じゃないか。
「お前、リアルだと半分ぐらいニートだもんな」
「うっさい」
「ゲームでニートなんて称号つくんなら、効果は教えてくれよ。俺は取れないだろうけどな」
「癇に障る笑い方して……もう」
だから大輔は大輔なのだ。彼女いないのはそういうデリカシーの無いとこがマイナスだからだぞ。
「ま、悪いもんじゃなくてよかったじゃないか。あ、そうだ。とりあえず、名前は最低でもフレンド限定公開にしとけよ。それか、パーティーメンバー限定公開」
「完全非公開じゃだめ?」
名前なんて見せびらかしても良いこと無いと思ってる。
完全非公開設定にしてるんだから、それでいいと思うけれど。なんか理由が有るのかな。
「別にいいけどさ。それだと俺も見られない。名前の表示って、名前だけじゃなく状態異常も分かるんだ。緑色になってたら状態異常。あと、PKやり過ぎるとレッドカラーになってウィンドウが真っ赤になって文字がどす黒くなる。完全非公開にしてると、そういう疚しい人間なんじゃないかって疑われる要素にもなるから、フレンドには公開しとく方が良い」
「称号、バレちゃうじゃない」
フレンドが今のところこいつだけというのもあるから、今は別に構わないとして。
これから友達が増えたら、自動的に称号がバレることになってしまう。それはちょっと困るな。
私は引きこもら―であって、ボッチではない。ちゃんと友達も居るんだから、きっとゲーム内でも友達は出来るはず。
いや、作る。世の中には私のように読書好きで、ゲーム内でも読書に勤しむような、素晴らしい人間がいるはずだ。
「良識のある奴なら、触れずにいてくれるって。詮索は誰だって嫌がるものだし、他人の詮索はリアルだってノーマナーだ。ゲームでも同じだよ。多人数型のゲームだともう常識だな。色んな人がプレイするから、個人の情報は突っ込んで聞かない。ステータスとか、スキル構成とか、そういうのな。あとリアルの事情や個人情報。カレンもあまり人に個人の情報を突っ込んで質問するなよ」
「うん」
別に聞きたいとは思わないけど、人のことは深く聞くもんじゃないってことだよね。大丈夫、任せろ。
「というより、それを弄ってくる奴はフレンドにしなきゃいい。むしろ良識人かどうかの篩い分けに使えて便利じゃないか?」
「なるほど」
大輔のいうことも一理あるな。そもそも人のプライベートな部分や繊細でセンシティブな部分に、大して親しくもなっていないのに触ろうとするのは危ない人だ。まともな人かどうかを最初にふるい分け出来るとするなら、称号も役に立つじゃないか。
設定するところから、名前をフレンド限定公開に設定しておく。これでよし。
あと、フレンドに連絡する方法とか、色々と聞いた。
「それはそうと、お前、これからどうするんだ? 称号なんてレアなもん持ってるんだ。冒険しようぜ! 今日はそれで誘いに来たってのもあるんだ。一緒に冒険だぜ」
「やだ」
物凄い笑顔で親指たてて、決め顔作って冒険に誘って来た。こういうノリの奴なんだが、勿論私は速攻で断る。
私は愛と勇気と本が友達なのだ。
やれやれと言わんばかりに、大げさに肩をすくめる友人。その態度、ムカつくからやめときな。一発はたくか?
二、三発叩いたらまともにならないかな。
「んじゃまあ、このままずっと引きこもってるわけね。勿体ないとは思うけど、それもまあゲームではあるしな。ちなみに、称号についての情報は売っても良い?」
「売る?」
何よ、称号の情報って、誰か買ってくれるの。
「こういうレアな情報は、金払ってでも知りたいって人が居るんだよ。似たような行動で、別の称号を得るヒントになったりするし、称号の効果を整理することで称号の得られ難さを推測することも出来る。難易度が有る程度推測出来れば、そこから取得条件の目星も付けられるだろ?」
「……何となく分かる」
全くのノーヒントで賢者の称号を得るのは、普通のプレイヤーには難しいだろう。その確信がある。私みたいな、ゲームにいて何もやらない人の方が珍しいだろう。
ずっと読書してたら賢者。なら、他の事に目もくれず、例えば剣の稽古ばっかりしてたら剣についての称号が得られるかも、みたいな話でしょう。曖昧な理解かも知れないけど、称号の取得条件を一つでも確定させられたなら、それが他のもののヒントになるかもってのは、とてもよく分かった。
ノーヒントで無限択のクイズするより、本の僅かでも選択肢を狭められるヒントが有れば答えにはぐっと近づける。このあたり、理解はできる。
お金を払ってでも詳細を知りたいってのは、ゲームでは良くあることなのかもしれない。
というより、タダで教えろとか付きまとわれたら、せめて金ぐらい払えって誰でも思うよね。となると、お金を払って情報を買うなんてのも当たり前のことなのだろう。
私が困ることでないなら、それはそれで大輔に任せてみるか。
「まあ、ダイちゃんの好きにしたら?」
「ダイちゃん?」
「ダイナソーだし。昔はそう呼んでたし」
幼馴染だしね。別にいいでしょ。
大輔をダイちゃんって呼んでだ頃は、ほぼほぼ毎日一緒に遊んでた。ご近所さんだし、同い年だし。習い事とか無い時は、結構な頻度で一緒に遊んでたと思う。虫取りに行ってこいつの頭に網を被せたり、ボール遊びで顔面にボールぶつけたり。
うん、色々やってたね。懐かしいよ。あの時はもっと可愛かったのに。今じゃこんなに可愛げのない子になっちゃって。
「小学生低学年とかだろ、それ。お前がだいちゃんって呼ぶから、俺がお返しにかーちゃんって呼んだら、お前が怒った時だろ? かあちゃんだと行儀が悪いからお母さんって言わないといけないんだよとか、訳の分からんキレ方してた頃」
「そんなことしてたっけ?」
「してたよ。まあ好きにしてくれりゃいいけどさ。リアルの名前はゲーム内では出さないでくれよ。それもマナーだからな」
「はいはい。話は戻るけど、称号の情報なんて、好きにするといいよ。私に変なのが付きまとわないように、名前を伏せてくれるなら、取得条件あたりは好きにして。正直、どうでもいい」
「だろうな」
ダイちゃんがまたケラケラ笑い出した。
「もし情報が売れたら、山分けな」
「別に全部貰ってくれてもいいよ?」
どうせお金とか使わないだろうし。欲しいものとかもない。リアルな現金なら欲しいが、ゲーム内の通貨を貰っても使い道がない気がするんだよね。かといってリアルな通貨を貰うと違法行為になっちゃう。リアルマネー……なんとかで。
タダで教えろってクレクレしてくるのがいると厄介だから、追い払う口実の為にも値段付けて欲しいってだけの話じゃないかな。幾らかでも値段が付いてるものなら、タダで寄越せとか烏滸がましいと突っぱねられる。付きまとわれることも減るかも。
いや、もしかしたら本を買うのにお金が要るかも。なら、お金を貰っておいてもいいのか。珍しい本がすんごい高い値段になってたら、お金を稼ぐ金策が必要になるかもしれない。
どうなんだろう。どう思う?
「金なんて、ゲームでも有って困ることは無いんだし、貰っとけって。半分は手数料に貰っとく。情報屋に繋ぎ付けるのも面倒だしな。俺だってタダ働きは御免だし」
「好きにしてもらって良いよ」
情報屋ってのもいるのか。本当にゲームっぽいね。
事情通でなく、情報屋か。歩くウィキペディアってことでしょう。身近にいてくれたら便利そう。
「んじゃ、そういうことで。あ、遅れたけど、これ差し入れな。読書の合間にでも食べてくれ」
「肉の串? 屋台で売ってたやじゃない。私、ちょっとこれ食べてみたかったのよね」
大輔の差し入れ、いい匂いがする。リアリティ万歳。こういうリアル感なら、どれだけリアルでも良いね。
涎が出てきそうな美味しそうな匂い。これ、炭火で焼いた肉の串だろうか。何の肉かな。見た目は牛肉っぽい。少なくとも豚肉じゃないとは思うけど、ゲーム内ならとんでもなくゲテモノでもあり得るよ。
絶滅危惧種とかでも食べられるのかな。現実だと食べるどころか捕まえるのも駄目なんだけど。
リアルで駄目だけどネオフロ内なら食べられるものがあるとすれば、オオサンショウウオを食べてみたい。あれ、山椒の風味がするからサンショウウオっていうらしいし。
特別天然記念物だから、食べられないんだよね。
お肉ってのは、どんなお肉でも焼き立ては美味しいと相場は決まっている。
ダイちゃんも差し入れとはやるじゃないか。好感度あがったよ君。
「だろ? そう思って買っておいた。休憩するタイミングででも食べてくれればいい。ずっと本読みっぱなしだと、腰が疲れるだろ」
「ゲームだから、そんな痛みとは無縁なのよねぇ」
賢者の称号についての情報は、ダイちゃんが然るべきところに売ることに決まった。
誰が損をするって話でもないし、私にしても別に損が有る訳じゃないから好きにしてもらえばいいと思う。どうでもいい、とまでは言い過ぎかもしれないけど、欲しい人がいるならどうぞって感じかな。
ゲーム内時間で次の日。
図書館にやってきたダイちゃんが、滅茶苦茶ご機嫌だった。
良い値が付いたぜと笑って、金貨をどさっとおいていきやがった。このゲームの通貨って、最上位単位になると金貨で表現されるんだね。ステータスのウィンドウを開いて、持ち物のタブの所に金貨を乗せたらスッと吸い込まれていった。どうも私は一気に小金持ちになれたらしい。
何に使えというのだろうか。肉でも買えってか。どうせなら、食べ歩きをしてみるか。プロ引きこもりの私としては、ずっと図書館に居たいのだけれど。
とりあえず、私の所持金の項目は、幾ばくか数字が増えていた。現実でも、これぐらい楽にお金稼げたらいいのにね。




