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引きこもり賢者のダンジョン攻略  作者: 古流 望
01章 新しい人生始めました
19/24

19 参加表明だって


 夢見草がそこそこ集まった段階で、一旦ワーホリさんともにか姉さんのペアと合流する。


 「こっちは六つっきゃなかった。この依頼、思ったよりドロが渋いぞ」

 「あらそう? こっちは二十は採れたけど……」

 「なんでそんなに採れてんだ!?」

 「カレンちゃんのお陰かもね」


 リカさんとワーホリさんがわいわい言ってるけど、私は自分のお陰で採れたとは思ってない。


 「リカさんの先導と戦闘力が凄かったからじゃないですかね? 私、本当に見つけたものを拾ってただけなので」


 目につくものを引っこ抜いていただけだし、リカさんが強かったから私は安心安全だった。

 ぶっちゃけ、私の立ち位置は私以外でも務まるけど、リカさんのポジションは替えが利かない。なら、沢山見つけられたのはリカさんの功績だろう。

 全面的にリカさんのお陰であると、私は精一杯アピールした。


 「カレンちゃん、いい子だねぇ」

 「もにか姉さん、頭を撫でられるような年じゃないですよ、私」

 「いいこいいこ」

 「聞いてませんね……」


 もにかさんが、私の頭を撫でてくる。

 それって小学生ぐらいの子にやることだと思うんですけど。まあいっか。


 「取りあえず、ギルドで鑑定してもらってくるね。カレンちゃんはワーホリと一緒に居て。私はもにかと行ってくるから」

 「はい」


 ダンジョンから出て、喫茶スペースのようなところで待機することになった。

 ワーホリの姉御が、周りに睨みを利かせてくれるから変なナンパも来なさそうだな。こりゃいい。

 しばらく、ワーホリさんと駄弁っていると、私を呼ぶ声がした。


 「カレンちゃん、カレンちゃん!!」

 「はい?」

 「ワーホリも一緒に、ちょっと、ちょっと来て!!」


 なんだかリカさんが慌ててる。

 もにか姉さんまでわたわたしてるから、何かあったのだろうか。


 「何がありました?」


 私が聞くと、リカさんが真剣な表情になってる。


 「ちょっと別室に行こう。良いわよね?」

 「はい」


 ギルドの奥に、個室があるらしい。

 そこに連れていかれたところで、リカさんが大きなため息をついた。もにか姉さんが常以上にほわほわとしてる。


 「カレンちゃん、これはマナー違反なのを承知で聞くんだけど……幸運値、幾つ?」

 「え?」

 「カレンちゃんが摘んだ夢見草ね……半分ぐらい夢見草じゃなかったの」

 「え? そんなはずは無いです。鑑定で確認しましたもん」


 鑑定さんが嘘つきでない限り、私が摘んだのは夢見草だ。それは確信を持って言える。


 「半分ぐらいが変異種。全部で十二株が、変異種だったの。二十一株中十二株よ。夢見草の採取率の高さから言っても、相当に運にステ振りしてないとこの結果にはならないはずなの」

 「……まあ、運極気味ではあります」

 「やっぱり」


 気味というか、運以外には一切振ってない。

 超極振りが私だ。


 「ということで、クエストが二回クリア出来た上に、余った素材も買い取ってもらえることになったの」

 「じゃあ、貢献度も?」

 「ギルドへの貢献度というなら、最上級の評価を貰えるでしょうね。それもクエスト二回分」

 「わあ、やった」


 お金は正直どうでもいいけど、貢献度がいっぱい貰えるのは嬉しい。

 新作コーナーが近くなる。

 あともにか姉さん。頭撫でるのとめて貰って良いですか。


 「お陰様で、私たちも装備を更新できそうよ」

 「おめでとうございまぎゅえ」


 リカさん、リカさん。ハグは嬉しいけど、苦しい。凶器で窒息する。

 ぽんぽんと腕をタップして、放してもらえた。このゲーム、窒息まで再現するのか。色んな意味で凄い経験したわ。


 「ありがとう……これで、準備万端で臨めるわ」

 「……何にですか?」


 リカさんも、ワーホリさんも、もにか姉さんも、何やら滅茶苦茶気合が入ってらっしゃる。


 「全員参加型の大規模イベント。ゲーム開始後、最初の運営イベントになる『スタートダッシュイベント』よ。豪華景品があると告知されているの。私たちも、豪華賞品、狙っていくわよ!!」

 「「おお!!」」


 リカさんの檄に、残る二人が応える。

 リカさん、リカさん。一応の確認をしておきたいんですが……。


 私たちの中に、カレンちゃんは含まれてませんよね?ね?


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― 新着の感想 ―
うわー、運極振り故のホニャララが始まるような? しかし、序盤にレア引き当てたら後が楽になるんですよねー♡ ただし、ジョブ違いとかレベル○○からしか使用出来ないとかだと、テンションがダダ下がりします…
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