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引きこもり賢者のゲームダンジョン攻略  作者: 古流 望
01章 新しい人生始めました
14/24

14 ギルドは初めてかい?

 最初の街ウーノの教会は、噴水のすぐ目の前にあった。


 「転移の料金は10万マニです」

 「高っ!!」


 ちょっと。

 そんなに高いの?

 私今いくら持ってたっけ。


 「5万ちょっとか……」


 確か、この倍ぐらいは持っていた。

 レアアイテムの分け前とか、情報料の分け前とかで。

 半分以下になってるのは、ぶっ倒れたからだろうなあと。確か、デスペナルティとか言うのが有って、HPがゼロになると罰則があるんだよ。

 所持金の減少、経験値の喪失、所持品の没収、一定時間のステータス減少、NPCの好感度減少、だったかな? 他にも何かあった気もする。

 デスペナルティ中に更にペナルティを重ねると、諸々の減少率が増え、ごっそり減るらしい。経験値の喪失でレベルが下がることもあるらしいし、命を粗末にするやつはよろしくないと、NPCから物凄く嫌われるようになるとか何とか。


 「仕方ない。最初の町。ウーノの図書館で我慢するか」


 この街の図書館も、まだ制覇しきれてない。

 しかも、新刊コーナーも有るんだから、十分すぎる。図書館なんてなんぼあってもいいですからね。

 意気揚々と図書館に行き、早速とばかりに新作コーナーで新刊を漁ろうとしたのだが。


 「カレンさん、二階には行けませんよ」

 「え!? なんで!?」


 サラさんに、私は二階への行き来を止められた。なんで、Why?


 「ペナルティがあったということで、貢献値が下がっちゃいましたから」

 「そんなぁ……」


 折角稼いでいた貢献値が、デスペナルティで下がったらしい。

 これはNPCの好感度が下がったって奴なのかもしれない。或いは、貢献値が下がるってのは普通の仕様かもしれない。分かることは、私が二階に行けなくなってしまったということ。

 うぬぅ。なんてことだ。


 「これに懲りたら、ご飯はちゃんと食べましょうね」

 「はぁい」


 サラさんに叱られちゃった。お母さんみたいだ。

 ごめんなさい。同じお叱りを、よくされます。実の母から。


 「貢献度、稼ぎ直しですよねえ」

 「頑張ってください。ちなみに、一度読んだ本をもう一度読んでも、貢献度は増えませんからね」

 「え? そうなんですか!?」


 やだ、同じ本をヘビロテして、さっさと上に上がるつもりだったのに。お気に入りの本なら何度読んでも面白いし。


 「同じ本での貢献度は上がらないようにしておかないと、絵本のように簡単な本を何度も読んで、貢献度だけ稼ごうとする人が出ちゃいますからね」

 「う゛っ」


 見透かされてた。

 そうだよね、私みたいに本を読むのが好きな普通の人だけじゃないよね。本を読む時間を無駄な時間と割り切って、タイムパフォーマンス重視で適当に薄い本をパラパラとやって上に上がろうとする変人も居るよね。

 むむむ、そうなると簡単な本は全部読み切ってしまったし、読んでない本を探す方が大変かもしれない。一階の本も結構読破しちゃったしなあ。


 「まだ読んでない本を探すの、サラさんを頼るしかないですね」

 「そうですね。でも、貢献度を稼ぐなら図書館以外で稼ぐ方法もありますよ?」

 「え? どうやってですか?」

 「町のクエストを受けることです。図書館からのクエストが一番ですが、そうでなくとも街の為に貢献すれば、図書館への貢献値もそれなりに増えます」

 「クエスト……」

 「ダンジョン前の探索者ギルドで、色々なクエストを発行、管理してます。行ってみると良いかもしれませんね」

 「はい」


 サラさんに、貢献度を稼いで来いと言われてしまった以上、稼いでくるしかない。

 図書館二階には新作コーナーがある。新作ということは、定期的に入れ替わるということ。どれだけ読みふけっても、また新しい本が供給される場所なのだ。

 もう一度行けるようにしなければ、女の沽券にかかわるのよ。うん。


 「じゃあ、探索者ギルドに行ってみます」

 「はい、行ってらっしゃい」


 私は、気合を入れて図書館を後にした。


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― 新着の感想 ―
賢者の習得条件が「能動的になにかをしない」だった事を考慮すると、今回のサラさん(NPC)の忠告は 「もうこれ以上は何もイベント起きないからいい加減動け」 という運営からのメッセージだった可能性が微レ存…
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