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引きこもり賢者のゲームダンジョン攻略  作者: 古流 望
01章 新しい人生始めました
13/24

13 振り出しにもどる

 ここ……最初のスタート地点じゃないかな。


 いつの間にか、私は隣の町の図書館から、最初の街の噴水まで戻っていた。

 何が起きたのか。

 え、どういうこと。何で私こんなところにいるの。まだ見てない本たちはどこ。


 考えてみるが、何もわからない。

 しかし、スタート地点に戻っているのは事実。

 私、トレーズの図書館に居たはずなのに。

 原因不明。

 こうなったら、あいつに頼るっきゃない。


 『ダイちゃん、助けて』

 『どした?』


 助けて、ダイえも~ん。

 かくかくしかじかと、今起きたことを説明する。


 すると、通話の先で幼馴染が爆笑しだした。


 『あぁ、そりゃEPがゼロになって、HPを侵食されて死に戻ったな』

 『……何語?』

 『日本語だよ!!』


 ダイの説明によれば。

 キャラクターにはEPという数字が存在していて、MAXが百で固定。時間経過や、スキルの使用で減っていくものだそうだ。

 走ったりしても減る。

 それで、このEPがゼロになるとHPが減り始める。HPがゼロになれば、当然ペナルティだ。

 EPを回復する手段は、基本的には飲食になる。物を食べたり飲んだりすれば、EPが回復する。回復量は飲食したものによりけりだが、最低でも一日一食は食べた方が良いとのこと。

 私、そんなの知らなかったよ。

 食べ物食べたのなんて、差し入れの肉ぐらいだもん。

 そもそも図書館内は休憩スペース以外での飲食は禁止って怒られたし。あそこでものを食べるって発想は出てこないって。


 『ま、ようするに、空腹でぶっ倒れたってことだ』

 『なるほど!!』


 分かりやすい。

 EPがゼロになるってのは、ああいう感じなのか。初めて知った。


 『これに懲りたら、あまり引きこもりっぱなしになるんじゃないぞ~』

 『それは約束できないな』

 『なんでだよ!?』


 引きこもって読書してたら、食事を忘れるってこと、よくあるもの。

 特に、面白い小説を読んでる時。最高に面白い小説って、読んでるとすぐに時間がたっちゃうのよ。気づけばお昼ご飯食べ損ねてたとか、しょっちゅうあるし。他の人も似たようなことは有るはずだよ。無い方がおかしいよ。

 つまり引きこもらないという選択肢も無い以上、迂闊な約束は出来ません。残念ながら。

 当方、絶賛引きこもり宣言中です。


 『取りあえず、助かったわ。ありがとね』

 『おう。困ったときはいつでも頼って来いよ』


 相も変わらず、人を助けることに躊躇の無いやつ。お陰であの妙な現象の謎も解けたし、今後どうすれば良いかも分かった。

 助かったのは事実なので、素直に感謝しておく。

 さんきゅう、マイフレンド。君は良いやつだった。過去形で語らねばならないのが残念だよ。


 「取りあえず、ご飯を食べればEPが回復して、HPも減らなくなるわけか」


 最初にやることは、食べ物の買いだめだな。

 携帯食料みたいなのをいっぱい買っておいて。

 あと、飲み物も折角なら買いだめしておこう。休憩スペースも分かっているし、あそこなら飲食可だな。本の持ち込みは駄目らしいけど、ささっと食べてささっと戻れば本は読み放題。


 「結局、まだ読めてない本もあったのに。もう一度隣町に行くなら……転移か」


 転移の登録をしておくと、町から町の移動が簡単になるとは教わった。

 この街の教会にも行ってみるか。


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― 新着の感想 ―
空腹を忘れて趣味に没頭し、ふと気が付いたらぶっ倒れていた。 割と(現実世界でも)あると思いますw
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