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隣の席の美少女だけ、俺の“無自覚最強”を知っている  作者: ITIRiN
バレンタイン告白と、ふたりの距離

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84【陽】彩乃からのLINE、そして俺は走り出す

東京は大都会なだけあって、“おひとり様専用”の席や飲食店が結構ある。

……が、絶賛お昼時。


混んでるなんてもんじゃない。

牛丼屋みたいな回転率勝負の店なんて、田舎者の俺からすると殺気立った修羅場にしか見えず、正直怖い。


だから俺は――いつも通り。

「そんな地獄に足を踏み入れるくらいなら高い金を払う!」の精神で、オシャレなパン屋でパンと飲み物を購入。


そのままタクシーに乗り込んだ瞬間、ポケットのスマホが震えた。


(ん、L○NE?)


___________

 L○NE

 一通の通知

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


(部活の連中に見られて仕事バレするのが嫌で、通知内容は“非表示”にしてある。けど――誰からかは開くまで分からない。地味に心臓に悪いんだよな)


(まあ単純に、もしかしたら彩乃からかもしれない。何か彩乃に嫌われるようなL○NEを送っちゃったかな? みたいな感じになるからなんだけど。あとはロック画面のままでもある程度送られてきた内容か分かることによって心の準備ができ)


――タップ。


彩乃:《お仕事中ごめんね》


(………るじゃないですか。今回でいえば彩乃に仕事の件で色々とバレていることとかね)


彩乃:《どうしても今日中に渡したいものがあるから、いつもの教室に来てくれると嬉しいんだけど。来られそうかな?》


陽太:《14時6分発の新幹線に乗る予定だから、16時半前後には着くと思うけど……大丈夫?》


彩乃:《私はいつでも大丈夫だから。気をつけて来てね》


(いや、大丈夫なわけねーだろ。2時間半以上待たされるんだぞ。健気すぎて逆に心臓に悪いんだが……)


現在時刻――12時34分。

よし、今からなら12時55分発にギリ間に合う!


「すみません、あと何分くらいで着きます?」


「この調子だと10分ほどですかね」


「ありがとうございます!」


(……よし! 降りた瞬間に券売機ダッシュすれば、ギリセーフ! 払い戻しは面倒だから最悪自腹でいいや)


券売機――


(えーと、空いてる席は……って、普通車もグリーン車も全部満席!? お前ら、金あるならグランクラス行けよ! なんでグランクラスだけガラガラなんだよ!!)


財布を確認。


(……この値段、財布が死ぬ。いや、確実に空っぽになる。)


――購入。


(グランクラスすげーー‼ 快適すぎて逆に笑える! まあ頻繁には無理だけど、プライベート利用限定なら……次もアリだな)

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