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隣の席の美少女だけ、俺の“無自覚最強”を知っている  作者: ITIRiN
限界の陽太、彩乃に連れられて

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81【彩】膝枕で眠る無自覚最強

最近のひーくんは、明らかに忙しそうだった。日に日に目の下のクマが濃くなっていくのを見て、私はずっと心配していたのだけれど――ついに、その日がきてしまった。


一時間目の終わり頃には顔をしかめながらPCと睨めっこしていたのに、二時間目が始まってすぐにダウン。しかも時間が経つにつれて息遣いまで荒くなってきたので、無理やり連れ出して校長室に来た、というわけだ。


(肌までこんなにカサカサ……。一人暮らしを始めてから、お昼も菓子パンばっかりだし。本当に大丈夫なのかな)


少しでも楽になればと頭を撫でていたら、校長が戻ってきた。


「すまんイチ、途中で先生に捕まっ……。(ああ、眠ってしまったか)」


「(結構ギリギリだったみたいで、すぐ眠っちゃいました)」


「(普段なら、体調が怪しくなった時点でここに来るのだが……。去年同様、かなり切羽詰まっていたのかもしれないね)」


校長はそう言ってエアコンを調整してくれる。


「(よくあることなんですか?)」


「(ここまで酷いのは滅多にない。ただ、ちょっとでも怪しくなると冷蔵庫の栄養ドリンクを飲んでいったり、昼休みにホットアイマスクをして20分だけ寝たりしているよ)」


どうやらひーくんは、スマホやPCの見過ぎで頭痛になりやすい体質らしい。しかも仕事の関係で画面を見る時間が長いから、適度に休憩を挟まないとすぐにダウンするという。


「(一人暮らしで頼れる相手も減ったのが響いているだろう。でなければイチが女の子と手を繋いだり、膝枕で眠るなんてあり得ない。……よく言えば誠実、悪く言えばヘタレだな)」


「(“武勇伝”を語る老害には分からないでしょうけど、本当に大切に思ってるからこそ簡単に手を出さないんですよ)」


つまり、それだけ彼はいま追い詰められているということ。


「(詳しくは言えないが、イチの仕事はかなりプレッシャーが大きい。しかも忙しい時期に一人暮らしを始めたんだから……こうなるのも当然さ)」


「(仕事と勉強、両立できてるんですか? 授業を真面目に受けてる感じは全然しないんですけど)」


「(ははは。実は私も同じことを思ってイチに聞いたことがあってね。すると――『先生の声を聞き流しながら仕事してるけど、重要そうな部分はちゃんとメモしてる。国語は答えが全部書いてあるんだから漢字以外は勉強不要。他の科目も正解は一つだから簡単だろ』――だそうだ)」


(国語が一番苦手な私からしたら悪魔の発言なんですけど⁉ 答えが全部書いてあるってなに! 文系か! このこの~)


「んんー……うぅ」


「(イチで遊ぶのはいいが、午後からは授業に戻るんだよ。午前中の免除が限界だし、このままの体勢で起きたらまた振り出しに戻りかねないからね)」


(はいはい、ごめんね……。よしよし)


私はひーくんの髪を優しく撫でながら、小さく微笑んだ。

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