04【彩】その頃、彩乃は
黒板に貼られた名簿を確認してから、教室をぐるっと見渡す。
新しいクラスの空気に少し緊張しつつ歩いていくと、すぐに自分の席にたどり着いた。
気になって右隣と前の席を確認する。
隣はまだ空席。
でも前の席の子は、ちょうど鞄を机に仕舞っているところだった。
(よし、声をかけてみよう――)
私はトントン、とその子の肩を軽く叩いた。
「おはよう。私、佐々木彩乃。今日からよろしくね」
「……あ、おはようございます。倉科明日香です。こちらこそ、よろしくお願いします」
少し緊張しているのが伝わってきたけど、丁寧で誠実そうな子だなと思った。
「ふふ、そんなに敬語じゃなくて大丈夫だよ。私のことは彩乃って呼んでね」
「えっ……あ、じゃあ……彩乃ちゃん」
「うん、それでいいよ。じゃあ、私も明日香って呼んでいい?」
「……うん」
二人して、思わず小さく笑い合った。
(明日香は控えめだけど、ちゃんと人と向き合える子。時間をかければ、きっと良い友達になれる。だったら、私の方から積極的に話しかけていこう)
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