03【陽】陰キャ生存率トップの安全地帯、確保しました
周りの視線がどうとか言っても始まらない。
俺はさっさと黒板の席順表を確認し、自分の席へと向かった。
……すると、なんと奇跡。
俺の席は――廊下側の一番後ろだった。
「やった……! ここは陰キャ生存率トップの安全地帯!」
ただし。隣の席には知らない名前の――そして見た目からして絶対に関わっちゃいけないオーラを放つ女子が座っていた。
……まあ、それは今は見なかったことにしておこう。
こうして個人的「優良席ランキング」第二位の席を確保した俺は、当然のように周りへ話しかけたりなんてしない。
そんな高度なコミュ力技術は俺にはインストールされていない。
代わりに――いつも通り、カバンからラノベを取り出す。
そういえば、去年の今頃。
中学からの友達で、今日も一緒に登校してきた誉が言っていた。
『新しいクラスに入ったばかりの時は、出来るだけ周りに話しかけてもらえるように、読書なんて絶対しちゃ駄目だ』
……はい、説教ご苦労さま。
でもそれは高校一年のときの話だろ?
二年になった今、クラスはもう大体グループが固まってる。
去年の仲間や部活の奴ら同士でワイワイ盛り上がっていて、ぼっちがいくら本を読まずに待機しても結果は同じだ。
それに、俺みたいな人間は――もし話しかけてくれる人がいても、仲良くなるまでに時間がかかる。
結果、相手の方が根負けして去っていくのがオチ。
要するに、“新クラス序盤は読書禁止”なんてルール、陰キャぼっちには適用外なのである。
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