56【彩】その頃、彩乃は
絶対に見つけて――何が何でも、私の隣で文化祭を回らせてみせるんだから!
――そうは言ったものの、探すだけじゃ面白くない。
ということで、まずは校長が毎年出しているチュロス屋に向かうことにした。
「去年も思ったけど、ウチの文化祭ってクオリティ高すぎない? さっきのクラスのカフェなんて、教室じゃなかったら本物と間違えるレベルだったよ」
「噂では校長に色んなコネがあって、毎年必要なものを借りてくるらしいよ。本格的なソファーとか、屋台がずらっと並んでるのを見ると本当かもね」
「じゃあ朝日さんって、実はどこかのアイドルだったりして?」
「うーん……アイドルもピンキリだけど、あれだけ可愛ければ普通はそれなりに知名度あるはずだし。もし本当にそうなら、校長が宣伝してると思うんだよね」
なんて話しているうちに、「どうやって用意したの?」と聞きたくなるようなテラス席が見えてきた。
そこでは――去年同じクラスだった向井が、案の定って感じで、ちょうど話題にしていたその女の子に声をかけていた。
止めに入ろうとした瞬間――
「な~んだ、お客さんかと思ったら迷子の豚さんだったんですね。でしたら―――はあちらですよ♪」
「「………………」」
「……明日香。あれ、絶対アイドルじゃないから」
「だね。むしろ今年は――『ドSカフェ』って方向で話題になりそう」




