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隣の席の美少女だけ、俺の“無自覚最強”を知っている  作者: ITIRiN
恋と執念のラストスパート ― 体育祭決戦編 ―

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271【明】快進撃の秘密――視線を逸らす理由

「(なぁ、今明らかに○○先生、一之瀬のこと贔屓したよな?

あれ絶対、一ノ瀬の凄さに全部気が付いてるが故のストップだったよな?

というか、単純に一ノ瀬自慢をしたがってないか、あの先生?)」


「菱沼、うるさい。

気が散って、ひーくんの活躍を見逃したらどうしてくれるのさ」


「ここから先は、コンマ寸秒でも指示のタイミングを間違えられない重要な局面だから。

ちょっと黙っててくれるかな、ひっしー」


「いやいやいや、お前らの気持ちも分かるけどさ!

今まで一言も喋ったことがないような奴が、いきなり我が物顔であんなこと言い出したら、普通にムカつくだろうが!

何なんだよアイツは。いい歳こいて、クラスの陽キャ連中みたいなことしてんじゃねえよ。

うちの一ノ瀬は、元からスゲーっつうの‼」


「まあまあ、菱沼君。一旦落ち着いて。

菱沼君の気持ちはよく分かるし、私も同意見だけどさ。


どこぞの腹黒彼女さんの狙い通り、一ノ瀬君が意図的にゾーンに入れる可能性がある――

今、一番世間にバレたくない事象から、大勢の観客の目を逸らさせるための手伝いを、実況の子だけでなく○○先生までしてくれている以上、ここは大人しくしておくのが得策なんじゃないかな?」


彩乃ちゃんのことは言わずもがな。

ここまで的確に、私達の狙いを言い当てて見せるなんて――逆に、なんであんなクズ男のことを好きになったのか、不思議でしょうがないくらいだよ。


……なんて、私がそんなことを考えている間にも。


それでも納得がいかないらしいひっしーは文句を言い続け、それをひたすら宥める美咲ちゃんがいたり。


中学時代からの友達に“腹黒彼女さん”呼ばわりされても一切反応を見せず、よーくんの秘密を上手く誤魔化せているかを確認しながら、同時に――

しっかりと、自分の彼氏の活躍をその目に焼き付けている子がいたり。


この後、起こるであろう今日一番の盛り上がりポイントへと繋げるため、振り返り実況を続けている子がいたりと。


私達がいる校庭の中では、その瞬間も、実に様々なことが同時進行で起きていた。

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