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261【明】想定通り、2位
あれから丁度4分30秒。
『まるで俺が通るから道を開けろと言わんばかりの勢いで、次々と他の選手を抜かし続けてきた一ノ瀬君が今、○○選手を追い抜き……僅か4分30秒で2位まで順位を繰り上げました‼』
まるで実況の声が聞こえていてムキになったのではないか、と考えてしまう程、タイミングよく。
よーくんに抜かされたばかりの現3位の子が、抜かし返そうと走るスピードを上げようとした、その瞬間……。
『おおっと、ここで○○選手も、他の選手同様足をもつれさせてしまい転倒‼
そしてプロの救護担当の方の判断により、即座にドクターストップがかかりました。
これで○○選手も途中棄権となります』
「………………」
『決して一ノ瀬君が、他の選手に対して何か嫌がらせであったり、妨害をしているというわけではないにも関わらず、この異常事態‼
少し不謹慎ではありますが、今の彼には――“快進撃”という言葉がピッタリでしょう‼』
「………………」
『いや~、それにしても、いったい現場では何が起こっているのでしょうね?』
……何を、わざとらしいことを言っているんだか。
今回の参加生徒がスタートラインに揃った時点で、こうなることは最初から分かっていたくせに……。




