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22【彩】その頃、彩乃は
体育の時間は、だいたいいつも明日香と二人でバドミントン。
今日も「一緒にやろうね」って話してたら、ちょうど後ろに石原が並んでいた。
「なあ佐々木、ジュース賭けて勝負しね?」
「ん? 別にいいけど……明日香もいるから、一回だけね」
「オッケー! じゃ、コート取っといて!」
そう言って石原はラケットを持ってどこかへ走っていった。
……うん、あの軽さ。絶対に自分でやる気ないでしょ。
嫌な予感しかしないまま待っていると――
「よし行ってこい一之瀬! 今日の飲み物はお前に掛かってる!」
「知るかそんなもん。自分で仕掛けた勝負なら自分でやれよ」
(……やっぱり! 一之瀬君に丸投げって、セコッ!)
「よーくんが相手か。これはいくら彩乃ちゃんでも、最初から本気でやらないと負けちゃうかもしれないよ」
(ふーん……今のところは相変わらずやる気ゼロって感じだけど。……ちょっと、この人の本気、見てみたいかも)




