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隣の席の美少女だけ、俺の“無自覚最強”を知っている  作者: ITIRiN
中間地点の赤い糸

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228【美】その頃、美咲はⅢ

確かに、事情を何も知らない女の子が一之瀬君のことを――ましてや、彩乃と一緒にいるところを見れば――それはそれは魅力的に見えるだろう。

外見はもちろん、異性に対する心遣いまで完璧な一之瀬君のことが。


そんな、世界中探したってそうそう見つからないであろう男の子が、さっきの私みたいに“突然目の前に現れた”としたら?


流石に全員が全員とは言わないけれど――

彼のことが欲しい。

今の彼女から奪い取ってでも付き合いたい。


そう考える人が一人もいない、なんてことはまずないと思う。


そしてここで一旦、一之瀬君本人の気持ちや性格は横に置いておくとして。

仮に、そうやって奪おうとした女の子が“実際にそれに成功した”としたら――その後その二人はどうなるかというと。


(ま〜あ、99.99%くらいの確率でスピード破局するでしょうね。

当然これも彩乃の作戦のうちに入っている……というか、これこそがあの子の本当の狙いなんだろうけれど)


まず第一に、一之瀬陽太君という男の子は――

一部の女子を除いて、女子そのものにかなり強い苦手意識を持っている。


自分から話し掛けるなんてまずしないのはもちろん、

あからさまに「話し掛けるな」オーラを出している日だって珍しくないくらいで。


女慣れしていないのは、自明の理。


でもそれは、私が彼と同じクラスで毎日顔を合わせていたり、

そんな人の“彼女”と友達であるからこそ知っている情報であって――

同じ学年の女子ですら、その事実をほとんど知らないと言っても過言ではない。


つまり、普段“彩乃や倉科さんと一緒にいる時の姿”しか知らない女の子にとっての一之瀬陽太君という男の子は――


・普通にカッコいいのに、そんな素振りを一切見せない&嫌みのない好印象イケメン。

・それなのに、少なくとも校内で仲良く喋っている女子は上記の二人だけというミステリアスさ。

・しかもその二人とは、教室での席が近かったり同じ部活に所属していたりするせいで、三人一緒にいる時間が長い。

 時には倉科さんと一之瀬君の“二人っきり”で喋っていたり部活に向かったりしているにも関わらず、それを放任している彩乃から見える、彼に対する絶大な信頼度と、彼自身の誠実さ。

・そして何と言っても、彩乃に対する一之瀬君の“気遣いレベル”が半端じゃなさすぎる。


というか、彼女(ついでに倉科さんにも)にはめちゃくちゃ優しいし、

普段の彩乃を見ていれば――

どれだけ幸せなのか・愛されているのか・大事にされているのかなんて、一目瞭然。


どこを切り取っても、こっちが夢見ているような“理想的な男の子”で……。


と・に・か・く‼


そんな人と付き合えているのが、羨ましすぎる‼


自分も、ああいう男の子と付き合いたい‼


そう思っている女子は、きっと少なくないだろうし――


中には、彼のことを“完全に寝取る”とまではいかなくても、

誘惑だのなんだのして、自分の男にしようと画策している女がいても、なんら不思議ではない。

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