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隣の席の美少女だけ、俺の“無自覚最強”を知っている  作者: ITIRiN
中間地点の赤い糸

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224【彩】その頃、彩乃は(上)

「ひぃ〜くん♪」


なんでもそうだけど、

自分の中の不満や怒りを、そのまま相手にぶつけるだけじゃ上手くいかない。

今は大丈夫でも、いつか必ず“代償”を払う日が来る。

色んな意味で、色んな形で。


じゃあ、そうならないためにはどうすればいいのか。

私がたどり着いた答えは――これ。


(はぁ〜♡

離れたところから可愛いひーくんを眺めるのも良かったけど……

こうやって、ぎゅーって抱きつくの……もっといい♡)


そんな気持ちに比例して、先ほどのお預けの反動もあって、

自分の中のタガがゆるんでいくのが分かる。


抱きしめる力は必要以上に強まって、

そのせい――いや“おかげ”で、

普段なら当たらない場所がひーくんの体に当たったり、擦れたりして。


(んぅっ♡

……片腕にくっついてるだけじゃ、また逃げようとするかもだし。

なら、上半身ぜんぶ使って抑え込んで……ん……ぁ……♡)


(は……ぁ……

このまま足も絡めちゃっ――――⁉)


(てっ……なんで私は、この短時間で二回もエッチな気分にスイッチ押されそうになってるのよ!

一回目はともかく、二回目は“仕返し”で押す側のつもりだったのに‼

……まあ、私のは色気というより真っ黒な方だけどねぇ♪)


本人にそんなつもりは一切なく、

こっちが勝手に自爆してるだけ――

それなのに、この魅力の塊みたいな男の子を前にして、


“やられっぱなし”で済むわけがない。


もちろん、彼女として“他の女除け”の意味も込めて。

そして、ほんの少しだけ仕返しも添えて。


私は意識をガラッと切り替える。


「ひーくん。私こう見えてね、今かなり怒ってるんだけど……

“私だけのひーくん“なら、なんでか分かるよね?」


「………………」


(ふふっ。

この言葉が彼にとっての“例のスイッチ”になってるなんて、

ひーくんは全然知らないまま真剣な顔して……ほんと可愛いんだから♡)


というのも、付き合い始めてから――

“女心のあれこれ”という名の、私色に染める作戦の一環で

毎回この“私だけのひーくん”を使ってきた。


その結果はというと……

効果抜群なんてもんじゃなくて、

こっちが想定していた以上の成果を上げている。


(きっと彼は、

「彩乃が怒ってる時の決まり文句」くらいにしか思ってないんだろ・う・け・ど♡)

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