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隣の席の美少女だけ、俺の“無自覚最強”を知っている  作者: ITIRiN
新学期、隣から始まる一ヶ月

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16【彩】その頃、彩乃は

四時間目のチャイムが鳴ると、あちこちで一斉に弁当を出したり、食堂や購買へ走ったりする音が広がった。

私は明日香と机をくっ付けて、一緒にお弁当を広げる。


「そういえば、自己紹介で彩乃ちゃん“お料理が趣味”って言ってたけど、このお弁当も自分で作ったの?」


「うん、そうだよ。毎日作ってるから、たまに手抜きのときもあるけどね。今日は……比較的まともかな」


「えっ、これで手抜き? 本気で作ったらどうなるの!? 私のお母さんに謝って!?」


「別に劇的に変わるわけじゃないよ。例えば、ここに色合いでブロッコリーを入れてるけど、時間に余裕があればアスパラベーコンにしたり。このウィンナーも、たこさんウィンナーにするとか。ちょっとした手間の違いかな」


(パパの仕事の都合で一人暮らしになってから、毎日弁当作りは習慣になったけど……正直ここまで驚かれると少し照れるな)


「それでも十分すごいよ。私なんて全然料理できないもん」


「料理ってレシピ通りにやれば基本失敗しないからね。もし興味があるなら、味より“見た目をどう良くするか”を勉強する方がおすすめ。やっぱりどんなに美味しくても、見た目がアレだと食欲わかないでしょ?」


「確かに。パンケーキひとつでも、お店によって見た目全然違うし。雑誌に載ってる写真って、だいたい綺麗に盛り付けてあるもんね」


普通ならここで「イ○スタ映え~」とか言いそうだけど、明日香は私と同じでそういうのに興味ゼロ。

むしろ昨日なんか、写真を何回も撮り直してる子を見て――


『あんなことしてないで温かいうちに早く食べればいいのに。プロのカメラマンでも目指してるのかな?』


にこっと可愛い顔のままサラッと煽ったのを思い出して、つい笑ってしまった。

(あの顔で言うんだから、ほんとタチ悪い)

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