117【彩】終わり、なんて言わせない
(私のひーくん……ほんとに、すごい急成長してるかも⁉)
その事実を確かめたくて、嬉しすぎて――今すぐ抱きつきたい衝動を、なんとか必死に抑えながら。
私は小さく息を整えて、微笑んだ。
「プレゼントをもらった側でこんなこと聞くのは、ちょっと失礼かもしれないけど……解説、お願いしてもいい?」
「家の鍵は……まあ、説明しなくても分かるとして。
今、俺が住んでる家には、トイレと洗面所以外にも鍵を閉められる部屋が三つあって――
一つが夫婦寝室的な部屋。残りの二つは、子ども部屋っぽい部屋なんだけど……。
そのうち一つは俺が使ってて、もう一つは、その……ウチに泊まりに来た時に使ってもらって」
「……もらって?」
「将来的には、一緒に住みたい。
で、この券は――“彩乃と絶対に別れない”っていう、自信の証だから。
だから、有効期限も使用回数も“∞”にした。……終わり」
照れ隠しなのか、最後の「終わり」を言う声が少し小さくて。
でもその小ささが、余計に真っ直ぐすぎて――反則級に可愛くて。
その瞬間、胸の奥で“何か”がプツンと切れた。
(……もう、無理。限界っ‼)
「……さっき、私が抱きついた時に……ひーくんの服、ちょっとズレちゃったみたい。
直してあげるね」




