114【彩】お互いが、少しずつ“恋人”になっていく
今のひーくんが、こんなに素敵なプレゼントを用意してくれただけでも――もう十分すぎるくらい嬉しい。
でもやっぱり、ちょっとだけ気になってしまって。
興味半分、期待半分で「どうやってこれを選んだの?」と聞いてみると、ひーくんは少し照れたように答えた。
「自分に置き換えて考えてみた時に、彩乃が他の男とプレゼントを選んだって知ったら……なんか嫌だし。
少しでもそいつの好みが入ってるものとか、普通にいらないなって思って。
だから、誰にも相談してない……です」
「なんで最後だけ自信なさそうなのさ、も〜う。……ちょっと、こっちにおいで?」
そう言って隣の椅子を軽く引いてあげると、ひーくんは「よく分からないけど取りあえず……」みたいな顔をしながら移動してきた。
私は自分の椅子を横にずらし、そのまま彼の腕にぎゅっと抱きつく。
「さっきのひーくんの考察は――100点。
ひーくんが選んでくれたキーケースのデザインも――100点。
つまり今日のひーくんを“彼女目線”で採点させてもらうと……はなまるです♪」
普通の彼氏なら、自分の行動に点数をつけられたらムッとするかもしれない。
でも――恋愛下手なタイプは、むしろこうやってハッキリ言われた方が安心できる。
それに、そうやって一つずつ積み重ねていくうちに、少しずつ成長していくんだ。
……そう、“私好みの彼氏”にね。
(自分好みの彼氏にしやすい人ほど、今の彼女から離れられなくなる。
ひーくんが私色に染まっていけばいくほど、他の女はその“彩乃の影”を鬱陶しく感じて、近寄れなくなる……って、ネットに書いてあっただけだから!
――べ、別に、私が考えたわけじゃないからねっ!)




