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隣の席の美少女だけ、俺の“無自覚最強”を知っている  作者: ITIRiN
恋人マネージャー、はじめてのお弁当

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103【彩】その頃、彩乃は

私が作ってきたお弁当と味噌汁をひーくんに渡すと、彼は少し照れながらもちゃんとこちらを見て「ありがとう」と「いただきます」を言ってくれた。

その恋愛下手な姿が見られただけで胸がいっぱいになっていたのに――菱沼が余計なツッコミを入れてきたから、同じことが二度とないよう釘を刺す。


(ちょっと待って……いつの間にかひーくんのお弁当、ほとんどなくなってる! 自分が作った料理を美味しそうに食べてくれる姿が本当に嬉しくて、だからこそ朝早くから頑張ったのに……もう、黙っててこの馬鹿!)


「そういえば一之瀬って、朝ご飯と夜ご飯は何食ってんの? この前泊まりに行ったときは普通に唐揚げが出てきたから料理はできるみたいだけど、毎日自炊って面倒じゃね?」


「夜は鍋、朝はその残りにうどん入れて――健太が来ない限り、ほぼ毎日それ。正直もう飽きてる。昼もずっと菓子パンだし」


「まあ鍋なら栄養バランスは悪くなさそうだけど……彩乃ちゃん的にはどうなの?」


「今日から私、ひーくんの家に住む」


「はあ? 駄目に決まってんだろ」


「じゃあひーくんが私の家に住んで!」


「いや、それも駄目に決まってる」


「じゃあせめて、毎日ひーくんの家で一緒に夜ご飯を食べてから帰る‼」


「それはもっと危ないから駄目」


私とひーくんの平行線なやりとりを、明日香と菱沼が黙って見守っていた。

でも私は引かない。ひーくんの食事のことも、健康のことも、私が一番気にしてあげたいんだから。


昼休みが終わってしまう、その直前。

ひーくんが観念したようにため息をついた。


「彩乃がその日の献立を決めて、俺が毎日それを作る。で、証拠写真を送る……これでどうだ? もちろん、そっちが迷惑じゃなければだけど」


「それに加えて、毎日お昼ご飯は私が作ったものを食べる。――その条件を飲むなら認めてあげる」


「えっ、マジで? 彩乃が作ってくれた弁当、美味しかったし……それなら全然――」


――嬉しさを悟られたくなくて、思わず顔をぷいっとそむけた。


(……そう。ひーくんの健康も、心も、全部ちゃんと私が見ていたいの。だから今回は、認めてあげる)

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