101【彩】その頃、彩乃は
昨日は、ひーくんの彼女になれただけじゃなく、恋人になったからこそ見られた姿や、できた体験があった。
しかもそれは、まだまだ続きそうで……。
――仮に全部経験してしまったとしても、成長したり、私色に染まったりする新しい彼で、それをまた味わえる。そう考えただけで胸が高鳴って、もう誰かに伝えたくて仕方がない。
というか後半に関しては、昨日の夜ママに電話で教えてもらった“持論”だからこそ、余計に誰かに話したくなって。
私は明日香に語っている最中――ひーくんが体育館の扉を開けた。
「今日から私、ソフトテニス部のマネージャーをやることにしたの」
予想外だったのか、ひーくんは飲みかけのジュースを盛大に吹き出し、慌ててハンカチを差し出したけど――。
「水で洗ってくるから、ちょっとこれ持ってて。あと床は自分で掃除するからそのままでいい」
そう言って外に出ていくのを確認した私は、手元のジュースを見つめて小声で。
「これ……飲んじゃったらバレるかな?」
「逆に私が『バレると思うよ』って言ったら、彩乃ちゃんは諦めるの?」
「飲んじゃおう♪」




