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キャラクリなんて、あってないようなもの

どうしても主人公のリアルラックが高くなっちゃう

「とはいえ、第1ベータは脳筋が強すぎ、以降は調整がすさまじくて環境が安定しなかった

 くらいしかろくな情報ないんだよな〜」



 キャラクタークリエイトの説明を読み飛ばしながらひとりごちるハリタ青年。


 主人公よ、それでいいのか? よく読んだらボーナスとかあるかもしれないぞ?



「MPをたくさん使いそうな魔法メインのビルドや、生産状況に大きく影響されそうな狙撃手や罠師みたいなハイテクジョブ特化は安定が難しそう…

 かといって脳筋はTier2がいいとこだろうし、種族が本位のビルドは調整の煽りでかいだろうしなぁ」



 そう、このゲーム、通称「きんとき」では、ベータテストの時点で既に種族システムへの調整も行われていたのである。


 被害に遭ったのは幻術や斥候を得意とした「狐族」およびキツネ系レア種族たち。

 

 そのパブリックイメージからせこさ、セクシーさが飛び抜けていたキツネたちは、

 あまりに多い固有の強みに他種族プレイヤーからの批判の声が多く、

 つもりにつもってAIが大きな反応をしめし、いろいろできるけど旨みは小さい「器用貧乏」に落ち着いてしまったのだ。



「出る杭が打たれがちなのがちょっとな〜

 ジョブやサブジョブ、所属とかはあとから変えられるからナーフバッチコイだけど」



 「きんとき」では、キャラクターごとに戦闘面のメインジョブ、生産などのサポートをするサブジョブを選ぶことが可能。


 それらを流行に合わせて組み替えて、環境の旨みを吸い続ける「ジョブホッパー」的な楽しみ方も存在していた。


 最も、ジョブを切り替えながら上位層に貼り付くのは至難の業で、

 それは相当な時間と人脈によるパワーレベリング、前のジョブで得た資金、なにより順応し続けるゲームIQの高さが必要とされた。



 「つまり、ぼちぼち器用でほんの一部適さないジョブだけ切る、くらいの種族が楽しめそう

 となると必然的に人型、その中にひとつまみの個性があるとなおよしだけど……」



 ずらりと並ぶ種族の一覧を指でスワイプするハリタ。

 ふと指が止まった先にあった種族は…?



「人族(貴族家系)ねぇ… なになに…

 『オーソドックスな人族より筋肉と健康が低めだけど、感覚と知能が高め』

 『NPCとのやり取りに影響あり』ですかぁ


 ジョブじゃない貴族、いいじゃん やってみるか

 なら初動はメインジョブも貴族を選んじゃおっと」



 あまりにも一般サラリーマンのハリタくん、羨望だけで高貴な生まれを選択してしまった!



「キャラクターの見た目は、もはやおなじみ生体スキャンデータと、テンプレートの金髪イケショタくんの間をいい感じにとって〜


 これで高校生くらいの、戦闘に問題がなさそうな体型になったかな」



 間と言いつつ、現実からは離れたファンタジーイケメンを生み出し、満足げなハリタくん。


 見た目を決定した先に待ち受けたダイアログは、前情報にはない、全くの新要素だったわけで……



ーーー バックボーンを設定してください ーーー



「めっちゃロールプレイじゃん!」

TRPGのリプレイ動画の途中でバックボーンが明かされるやつ好き

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