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8話 逃亡OLと白いタヌキ

「ぼぼぼ、ボクは偉大なる精霊様だぞ!」


「知らないよ。こちとら忙しいんだ。静かにしてろ。しっぽ炙るぞ」


「すみませしぇんでした!」



 睨みつけたからか、自称精霊の白いタヌキは尻尾を丸めて震え上がった。


 私は白いタヌキを放置して、盗賊の大男のスキルを奪った。



********* 



▶盗賊頭からスキル<アイテムボックス><土魔法D><身体強化B><棍棒術A><カリスマG>を転移しました。



▶蜂須莉々菜のスキル<身体強化>の熟練度がD→Bになりました。


▶蜂須莉々菜のスキル<棍棒術>の熟練度がE→Aになりました。



▶スキル<アイテムボックス>に保管されていた物品の所有権が蜂須莉々菜に移ります。


 大金貨×50

 金貨×352

 ルビーの指輪×1 

 タンザナイトの腕輪×1 

 サファイアのピアス×1 

 大真珠の首飾り×1 

 ダイヤモンド(小)×100 

 プレア男爵夫人の肖像画×1 

 宝剣×2 

 ブラックタイガーの絨毯×1  



*********




「いやぁぁああん! 金銀財宝!」



 私は蕩けるような笑みを浮かべて飛びあがった。


 盗賊頭だけあって、極上のスキルをお持ちだ。というか、盗賊頭と真正面から戦っていたら、負けていたかもしれない。戦闘慣れしている強いスキルばかりだ。


 その辺にゴロツキとは訳が違う。



「真っ暗闇の奇襲だったから、毒に対処できなかったのかもしれない。やっぱり、正々堂々戦うのはアホのやることだな」



 日本でも異世界でも、物事の考え方は一緒だ。



「さてさて、残りのスキルもまとめて<転移><転移><転移><転移><転移>っと」



 見張り役の盗賊も含め、5人分のスキルを私に転移させた。




*********



▶盗賊からスキル<魔物使いE><精霊使いG><短剣術E>を転移しました。


▶盗賊からスキル<槍術E><料理D>を転移しました。


▶盗賊からスキル<火魔法E><鑑定C>を転移しました。


▶盗賊からスキル<釣り人B><体術C>を転移しました。


▶盗賊からスキル<農業C><魔物解体F>を転移しました。



▶スキル<鑑定>は何を優先にしますか?


 名前 / ステータス値 / 種族年齢 / 物品 / スキル / 性癖 



*********



 一瞬、人の弱みを握れそうな性癖を選択しそうになるが、どうにか心を抑えつけて私にとって最も効率的な『スキル』を優先に設定した。



「大量、大量。後は食べ物とかを拝借して逃げるか」



 私が食料の入った木箱を持ち上げると、スキル<アイテムボックス>が発動して吸い込まれていく。


 どうやら言葉にせずとも念じるだけで収納ができるらしい。便利だ。



「白いタヌキも仕方ないから持っていくか」



 雑魚そうだし、脅されて冒険者に私のことを話されたら面倒だ。


 私は白いタヌキの入った鳥籠を持ち上げ、<転移>を発動させる。



 そして、30キロメートルほど移動し、再び森の中に身をひそめた。



「さてさて、ステータスとめぼしいスキルの確認といきますか」




*********




名前: 蜂須 莉々菜

性別:女

年齢:22歳

種族:異世界人


レベル:56

HP:7820/8400

MP:80/5600


筋力:896

攻撃:1288

防御:336

知力:448

素早さ:672

幸運:280



レジェンドスキル

勇者G


ユニークスキル

転移F 天下無双 アイテムボックス


ノーマルスキル

打撃B 聴力C 剣撃A 短剣術D 嗅覚E 


棍棒術A 弓術C 視力E 身体強化B 風魔法A


鍛冶D 直感A 剣術B 加速B 指揮官C


毒霧E 毒耐性B 土魔法D カリスマG 魔物使いE


精霊使いG 槍術E 料理D 火魔法E 鑑定C


釣り人B 体術C 農業C 魔物解体F




スキル<アイテムボックス>

 最大魔力量に応じて容量が変わる。収納した物は時間が停止する。生き物は収納できない。現在は7畳部屋ぐらい収納できる。


 

スキル<カリスマG>

 魅力的な人物である証。ランクに信者の生まれやすさが比例する。



スキル<魔物使いE>

 ランクが高いほど強い魔物を使役できる。現在は6体使役可能。



スキル<精霊使いG>

 ランクが高いほど強い精霊を使役できる。現在は1体使役可能。



スキル<鑑定C>

 人物・物質の鑑定ができる。ランクに応じて、詳細な情報を得ることができる。スキルの鑑定を優先。



*********



「スキルが多すぎて把握ができなくなってきたな」



 盗賊たちからは、戦闘系だけでなく生産系のスキルも奪うことができた。おかげで逃亡生活はかなり有利になるだろう。



「……あなた様は邪神ですか?」



 ずっと黙り込んでいた白いタヌキが、とんでもないことを私に問いかけてきた。



「いや、違うけど?」


「ですが、神が与えたスキルを奪うことができるなんて……邪神としか思えません」


「どうして私が盗賊からスキルを奪ったって気が付いたの?」



 この白いタヌキには何も教えていないはずだ。


 私が訝しんでいると、白いタヌキは得意げに鼻を鳴らした。



「ふふん。なんとなくです!」


「勘のいいタヌキは嫌いだよ」


 

 さて、このタヌキ……どう八つ裂きにしてやろうか。


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