ストロベリーショートケーキ③
大学生3年の6月就活を始めるには早くも遅くもない時期、将来のやりたい事を真面目に考えつつ活動は楽しく充実した日々を過ごしていた。
切り替えは上手くできており企業の情報を精査する合間に活動にも力は入れて楽しんでおり、最近は活動の際に便利なサイトを見つけ良く更新をチェックしたり実際に利用してる。
空想繁華街マテルベノンナ
始まりは個人のライバーとクリエイターが立ち上げたサイトで、色んなジャンルのストリーマーやクリエイターの交流や依頼などの仲介サイトであり立ち上がり初期は知り合い同士の規模であったが昨今は多数の利用者が増えており、仲介掲示板や、各種リンク、サイト内を楽しむためアバターを利用したフィールドマップが存在しVRチャットのひとつのワールドのような空間が存在している。
井中良子は次回の配信のサムネを外注をするためマテルベノンナにアクセスし、何度か依頼をしたことのあるイラストレーターが現在依頼の受付をしているか確認をしていた。
「華麗パン先生依頼受け付けしていた良かった……。」
希望していたイラストレーターさんに早速メッセージを送り見積もりの依頼を送り終わり、ほかの素材や企画の資料の準備を進め一息ついていた。
「ふぅ、3年目となると私も手慣れてきたけど依頼って何度しても緊張するよね。」
ペットボトルの紅茶を口に含み、一息つきながらマテルベノンナ内の情報の更新チェックや他の活動者の最近の活動報告などに目を通しているとひとつの記事に目が止まった。
《引退したはずのVTuber目撃される》
オカルトかな?と思いつつ気になってしまった。
内容によると、マテルベノンナのマップ上に引退しているはずのVTuberを見かけたと言う噂が数件浮上しており、噂を聞きつけた人がスクショを撮ろうと徘徊したものの目撃しスクショを撮ろうとするとエラーが発生したり、スクショにモザイクがかかったりと謎の現象が起きており、運営に問い合わせしたもののそのようなコード等は検出されていないと謎が深まるものであった。
「なにこれ?私は見かけたことないけどこんな事あるのかな」
そう言いつつも、不思議と恐怖と言うより好奇心が前に出てきて、自身に直接は関係がないとはいえ利用してるサイトで起きているこの現象なぜだか不思議と印象的に感じていた。
「まぁもしも、知ってる人に会えたら幽霊でも妖怪でも会ってみたいね」
そう言いつつスマホを置きその日は就寝するのであった。