ストロベリーショートケーキ⑪
店主から告げられたのは選択肢だった、不安に駆られながらも自身の今後の身の振りを求められ果実は店主の話を聞くことにした。
『教えてください、私は何をすれば何を決めれば良いんですか?』
未だ姿を見せない店主は深くため息をつきながら答えた。
『難しいことでは無い、キミが今後を決めるだけさ。』
『キミがどうしたいか、意思は尊重するよ。』
そう言うと、果実のそばに居たウェイターが店の奥へと消えていった。
『さて、果実として生きていくか、無かったことにして眠ってもらうかとい言う話だがキミはどうしたい?答えを聞かせてもらおうか?』
前振りがあったとはいえ自身の今後の話である、それでも果実は意を決して口を開いた。
『正直生きていくということに未だに実感はありません。』
『でも、眠るも分からないのですが、無かったことにするとかは正直出来ないです。』
そう言って、自分の意思をしっかり口に出した。
『OK、キミの意志確認はちゃんと出来たよ』
マスターが、そう言うと奥からウェイター現れた。
その手にはお盆を持っており、皿に盛り付けられた真っ赤なケーキ存在している。
『campana rossa』
『レッドベルベットケーキをベースにキミに馴染みのあるイチゴをふんだんに使った1品さ。』
『難しいことでは無い、キミがコレを口にすればひとまずは解決するっては事だけさ。』
『このケーキにはとある物が含まれていてね、それをキミが取り込むことによって揺らいでいるキミの存在するが安定したものになるんだ。』
果実が応える。
『たったそれだけの事なのですか?』
『なんかもっとすごい儀式的なとか、怪しげな薬みたいなものを飲まされるとか、そういうのも想像してたのですが……。』
店の奥から聞こえてくる店主の声が近ずいて来る気配がする。
『そう、たったそれだけの事』
『でも、多分今キミが想像してるよりは大変な事もあるんだ。』
『でもそれは、食べないことには始まらない事でもある。』
『キミの踏み出す1歩、1口を運ぶことが全ての始まりになる。』
『さぁ、不安を煽るような事も言っているが今1度問おう。』
『『キミはどうしたい?』』
気がつけば果実の座るカウンター席にケーキと、フォークが置かれていた。
果実はフォークを手に取り、一瞬の躊躇いはあったが1口大に切り分け口へと運んだ。
『私の運命は私が決めます!!』
そして世界が暗転した。




