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「今は本当にたくさんの才能に世界は溢れています。私が小さな子どものときからそうだったけど、今はもっと激しい競争が繰り広げられている。ブームはさり、次のブームが来るころには、もう新しい次の波が用意されている。そしてそれを可能にするだけの人と才能と組織と仕組みがすでにある。私は今十六歳だけど、十三、十四くらいの年齢で私以上だと私自身が感じる子はどこの事務所にも一人や二人は必ずいます。あまりのレベルの高さにびっくりします。時間って本当に流れるのが速いんだなってそう感じました」

「君は忘れ去られ、君の歌や声や顔や名前も、いつの間にかどこかに消えてなくなってしまう」しずくは言う。

「はい。その通りです」のぞみは言う。

「森の精霊さんだって私よりもきっとその子たちの歌のほうが気に入ります。若いし、元気だし、なによりも恐れていない。あの子たちはきっと自分の中に無限の可能性を感じているはずです。できないことなんてなに一つない。夢はすぐにでも、きっといまこの瞬間にでも叶う。その手に掴むことができると思っているんです」

「昔の君がそうだったよう」

「はい。そうです。あの子たちの年齢のときの私がそうだったように」

「君はそう言うけど僕はそうは思わない」しずくは言う。

「君にはまだこの先の未来がある。まだやり残していることがある。たどり着いていない場所がある。手の届いていない場所がある。歌っていない歌がある。君はまだアイドルとして、もう一度舞台に戻るだけの役割があると思う」

「本当に?」とのぞみは言う。

「僕はそう思う。まあアイドルの世界のことは全然知らないんだけど、君の歌を聞いているとそう思う。それは嘘じゃない。僕の本当の気持ちだよ」とにっこりと笑ってるしずくは言った。

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