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 自転車に乗ってのぞみは森の中を走っていた。今日は絵を描くことはお休みの日で、のぞみは森の中をサイクリングしていた。あまり遠くに行かなければどこにいても構わないとしずくは言った。その言いつけの通り、のぞみはしずくの家の近くの森の中をゆっくりと自転車を漕いで走っている。

 やがて湖のほとりに出た。そこで一度のぞみは自転車を止めた。

 ここは思い出の場所だった。初めてしずくとキスをした場所。生まれて初めてのキス。それはとても気持ちのいいものだった。(そのときのことを思い出してのぞみはだらしない顔をしてにやにやした)

 家に帰るとしずくは切り株の椅子に座ってぼんやりと空を眺めていた。青色の空。その風景の中にしずくがなにを見ているのか? どんなことを空想しているのか? それを知りたいとのぞみは思った。

 しずくはのぞみに歌を歌って欲しいとお願いをした。おとなしい曲で、歌を歌うことだけに集中して欲しいと言った。のぞみはその思いを通りにした。自分も切り株の椅子に座って、歌を歌った。

 空を見ながら、森の中で歌を歌った。

 しずくはじっと目を瞑り、のぞみの歌を聞いていた。

「この森には精霊が住んでいるんだ」

 と歌の終わりのあとでしずくは言った。

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