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勇者の師匠  作者: 新嶋紀陽
第三章
62/74

22

遅くなって本当に申し訳ありません。

 夜の森というのは、いつ来ても不気味なものだ。

 視界は悪く、どこから魔物が襲ってきてもおかしくない。そういう状況を作り出すから厄介この上ないと言えよう。話を聞く限りでは、この森には魔物がでないというが、それでも何かが襲いかかってきそうな雰囲気を醸し出す。

 だが、今のベルセルクに魔物など眼中になかった。

 何せ、これから戦う相手は、そんな生易しい敵ではないのだから。


「来たか」


 木々が明らかに少なくなった場所。そこに彼女はいた。

 両手を腰に当て、鋭い眼光はいつも以上に光っている。そして、その口元は不敵な笑みを見せていた。その体から発せられるオーラはすでに出来上がっており、いつでも戦闘に入れる状態である。

 そんな彼女に、ベルセルクはいつも通りの雰囲気で答えた。


「ああ、来たぞ」


 短い返答。だが、そこには確固たる敵意が存在する。

 ベルセルクは未だ剣を抜いていない。それどころか、剣の柄すら握っていない状態だ。しかし、それでも一瞬の内に鞘から剣を解き放ち、距離を詰め、ウールの首を刈れる自信があった。

 いつ始まってもおかしくない状況下で、ベルセルクは口を開いた。


「あいつはどこにいる? まさか、もう殺した、とか言うオチじゃないよな?」

「おやおや、これはびっくり。狂剣が人の心配か? 安心しろよ。アイツは、中々面白い奴だからな。殺しちゃいねぇよ。まぁ……そっちの方がオマエの本気を見れるかもしれない、とは思ったが」

「……、」


 冗談、ではなく本気なのだろう。彼女の「殺す」というのは食事や呼吸と同じ。日常の行為だ。そこには躊躇いや迷いなど存在しない。やると言えば必ずやる。逆に言えば、殺されなかったシナンはそれだけ彼女に気に入られたというわけだ。

 妙な奴に気に入られたものだ、と心の中で呟きながらベルセルクは言う。


「そうか……んじゃ、始めるか」

「急だなおい」

「俺はお前を殺しに来た。お前は俺を殺したい。だから俺らはこうしている。だったら、やることなんて一つだろうが」

「そりゃご尤も。けどよオマエ、オレに聞きたいこととかないわけ? 例えば……どうしてあんな連中と手を組んだのか、とか」

「聞けば教えてくれるとでも?」

「まぁ……教えないな」

「だろうが」


 ウール・ヴヘジンはそういう女だと、ベルセルクは知っていた。

 例え本意でなくとも、例え理由があったとしても、それを言い訳にしない。殺すのはあくまで自分のため、他人のためなどでは動かない。自己中で傲慢な殺人鬼。だからこそ、彼女は恐ろしく、だからこそ彼女は気高いのだ。


「まぁ、オレとしても、それは助かる。一々話すのも面倒だしな。それに……」

「これ以上、始まるのが遅くなるのは我慢できない、だろ?」

「ハッ、よく分かったな」

「そりゃあまぁ。何せ……」


 ベルセルクは自らの剣を抜く。

 月の光を反射しながら、銀の剣はいつも以上に輝いていた。


「俺も同じだからな」


 緊張が空気を支配する。

 森を通り過ぎていく風、夜空の下で鳴く虫、近くにあるであろう川の音、それら全てが耳に入ってくる程の沈黙と共に時が刻々と過ぎていく。

 ベルセルクは全身から闘気をウールに向けて放つ。と同時にウールもまた、ベルセルクに向かって殺気を放ってきた。互いに相手の様子見をしているわけだが、しかしやはりというべきか。かつて組んでいた相手なために、そう簡単に隙は見せない。

 ベルセルクが剣を持っているのに対し、ウールは武器を一つも持っていない。傍から見ればベルセルクが卑怯者に見えるかもしれないが、それは大きな間違いだ。ウールはその体そのものが武器であり、兵器。人間離れしたその力は剣を持ったからと言って凌駕できる代物ではない。

 それが分かっているからこそ、ベルセルクは迂闊に手を出せずにいた。

 何秒たったか。それとも何分と言うべきか。短いその時間がまるで永遠に続くかのように思えたその時。

 事態は動く。

 二人は同時に地面を蹴る。どちらも真正面から迷いなく突っ込んでく。ほぼ同じであったが、敢えてどちらが早かったかと言えば、ウールであった。

 間合いが詰まるのに一秒も掛からなかった。ベルセルクは最初の一撃に『裂破』を放つ。丸腰の人間に、しかして手加減は無用だった。

 対するウール。避けるとするのならば、右か左か、はたまた後ろへ下がるか。

 そんな通常の思考は異常な彼女には通用しない。

 ウールは襲いかかる白い刃に対し、あろうことか自らの拳を突き出す。

 ドンッ、という轟音が辺りに広がる。と同時に、ベルセルクの手には大きな衝撃が走った。そして、それはウールも同じ。

 あまりの衝撃に、ふたりは後ろへと吹き飛び、着地する。


「流石ってところか。『裂破』……久しぶりに受けたが、体に響いたぜ。衰えてはいないってわけか」

「そっちこそ。相変わらずの無茶苦茶ぶりだな、『轟衝拳』。いつも思うが、何で刃を殴って血が一滴も流れねぇんだよ」


轟衝拳ごうしょうけん


 それが、ウールの必殺技である。

 ベルセルクの『裂破』に良く似た破壊の技。ただし、彼女の場合は破壊よりも粉砕という方がより正しい。異状で異常なウールの力を一点集中した一撃。それは木や壁などは跡形もなく砕け散り、城壁ですらも破壊できる威力だ。そうやって彼女はいつも殺す対象の屋敷の壁を壊し、侵入している。

 以前に戦ったときにもその威力は身に染みて理解していたベルセルクだったが、初っ端で放ってくるとは思ってもみなかった。それだけ彼女も本気だということだ。

 そして理解する。やはりウールは今までのどの敵よりも厄介であるということを。


「まぁ、手始めとしちゃ悪くない、か。ってなわけで、次いくぞっ!!」


 言い終わる前に、ウールが再び間合いを詰めてくる。

 だが、体が武器である彼女の間合いは剣士であるベルセルクの攻撃範囲でもあった。

 ウールの手が平たいままで右から入る。手刀だ。首の骨を一瞬で切り裂くその一撃を、ベルセルクは自らの剣で返り討つ。およそ人間の手と鋼鉄の刃がぶつかり合ったとは思えない甲高い音が辺りに響き渡った。

 二人の攻防はしばらくその場から離れることなく続いた。ウールの鉄をも砕く拳をベルセルクは避け、受け流し、そして自らも攻撃する。その光景はある種の単純作業のように見えるが、一瞬でも気を抜けばすかさず相手の攻撃が降り注ぐ。ウールの一撃は正しく一撃必殺。一発でもまともに食らってしまえば、肋骨どころか、内臓の全てが破裂しかねない。

 そんな緊迫した状態の中で、しかし二人は……


「「ァァァアアアッ!!」」


 雄叫びを上げるその顔は明らかに笑っていた。まるで、この状況を楽しんでいるかのように。

 狂気、そして狂喜のようなその雄叫びをあげながらも二人の攻防は続く。

 二人の一撃一撃に周りの空気はうねり、木々は震え、音が割れる。もはやこの場に『常人』は存在しない。いるのはただの『狂人』のみ。

 互いの実力はほぼ互角。しかし、それでも彼らの体には徐々にダメージが蓄積されていく。ウールには切り傷、ベルセルクにはかすり傷が増えていくのが目に見えて分かる。致命傷ではないものの、いずれはその小さな傷が勝敗の決め手となることを二人とも理解していた。

 だからこそ、二人は激戦の中で見つけなければならない。

 相手を殺すための一瞬の隙を。

 しかし、流石というべきかベルセルクもウールもそう簡単には隙を見せない。互いが互いを理解している故のことからか、彼らはまるで相手の動きを読み込んでいるように攻撃を防ぎ、それを返している。

 ベルセルクの一撃と手刀が交わり、再び轟音によって空気を震わせた。


「ハハハッ!! やっぱオマエと殺し合うのは楽しいなぁ、オイ!!」

「そうかよ!! そりゃあ良かったな!! こっちにとっては至極迷惑な話だがな!!」

「とか何とかいいつつも、テメェも楽しそうにしてるじゃねぇかよ!!」


 その言葉に、ベルセルクは否定の言葉を述べない。

 確かにウールの言うとおりだ。ベルセルクは今、この上ない高揚感に胸を躍らせている。これはそう、あの時と同じだ。魔人という自分よりも上の存在達と対峙したあの瞬間。絶対の勝利など存在しない。勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬかの戦い。あれらの戦いと違うのは今の自分が一人だということ。そして、それがベルセルクの研ぎ澄まされた剣筋をさらに鋭くさせていた。

 今まではシナンやリッドウェイが陰ながら応戦し、そして最後はいつもシナンを止めをさしていた。自分は敵を追い詰めてきただけ。それに対して不満があるわけではない。ベルセルクが求めているのは戦いだ。それができるのなら、誰が殺すかなど別に気にはしない。

 だが、本当の意味で強敵を倒したのは随分前のように思える。

 誰かを殺すことを望んでいるわけではない。だが、忘れかけていたものがあった。

 命を賭した攻防によってベルセルクの一瞬の欲を満たしてくれるこの瞬間。この気の高まり。誰かに頼るのではなく、たった一人、自分だけで成し遂げることで得られる達成感。

 それをもうすぐこの手にできるとベルセルクは確信していた。

 それは儚く、愚かな欲の満ち。一瞬しか感じ取ることのできないもの。通常の人間にとってそれは得るべきではないものではあるが、しかしそれでもベルセルクはそれを欲し、今もこうしてあがいている。

 故に愚者。故に愚か者。

 助けようがなく、救いようがなく、情けすらかけることも馬鹿馬鹿しい。そういう男だ。そういう人間だ。それを理解してもらうことなど望んでいない。

 ただ、今は余計なことを全て振り払ってここにいる。

 そう、全て。


『師匠!!』


「……、」


 一瞬、何かが頭の中を過ぎった。

 剣を振るうその動きに変化はない。鈍った様子も伺えない。先程と何も変わっておらず、同じ様にウールの猛攻に対し、全力で返していく。

 刹那の迷いが致命傷となる中で、ベルセルクは頭の中に浮かんだソレについて考えていた。

 耳によく通る大きな声。背丈が低いくせに言う事だけは大きいその態度。曲がったことが大嫌いで、正義感溢れる性格。

 そんな少女をベルセルクは自分の弟子にした。

 何故だ?

 その問いを投げかけたのはウールだ。そして、その答えをベルセルクは返すことができなかった。そんなことはどうでもいい。そんなことに意味などない。今までずっとそう思ってきた。そしてそれはこれからも変わらないはず。

 だからこそ、そんな些細なことを考えることに価値はない。

 だが、しかし、だからこそ。

 それを一瞬でも気にしたことによって、隙が生まれる。

 そして、その刹那の瞬間を見逃す程、ウール・ヴヘジンという殺人鬼は甘くない。

 気がつくと、ベルセルクの視界にウールの一撃が映りこんでいた。


「そら。肋骨、もらうぞ」

「っ!?」


 言葉と同時に拳がベルセルクの腹部目掛けて襲いかかる。

 避けることは不可能。それを理解したベルセルクは剣の柄の先を使ってウールの拳、正確にはその手首に一撃を加える。ゴギッと鈍い音と共に確かな手応えを感じる。が、その程度でウールの拳は止まらない。

 次の瞬間、ベルセルクの体は吹き飛び、後方にあった木に激突した。あまりの威力だったせいか、木はそのまま折れ、倒れていった。


「ちっ……」


 ベルセルクの口元から血が一筋流れていた。舌の上に感じる鉄の味をあじわいながら舌打ちする。肋骨は折れていない。しかし、ひびくらいは入っているだろう。

 不意打ち、などではない。これは明らかなベルセルクの油断が招いた結果だ。

 それを知ってか、ウールは先程とはうってかわってしかめっ面でベルセルクに問い正す。


「おいおい、何やってんだ、テメェ。戦っている最中に他の事考えてんじゃねぇよ。ナメてんのか?」

「……お前相手にんなことすると思うか?」

「だろうな。だから訊いてんだよ」


 怒気の入った声音によって再び聞き返す。どうやらお見通しらしい。そしてさらに彼女は怒りを顕にしていた。当然だ。高揚した戦いの中で敵が自分以外の事を考えているのは当事者にとってこの上ない侮辱であり、苛立たしい行為だ。

 睨みつけてくるウールに、ベルセルクはいつもの口調で答える。


「別に。ただ、テメェをぶちのめすにはどうするか、考えていただけだ」

「……まぁ、そういうことにしといてやるよ」


 渋々、と言った具合でウールは言う。

 その言葉に不敵な笑みを浮かべながらベルセルクは現状を把握する。

 先程の一撃は大きなダメージだ。死ぬ程のものではない。しかし、ここから長期戦になれば確実にベルセルクは負ける。この傷をカバーしながら勝てるほど、ウールという女は弱くはない。

 ならばどうするか。答えは簡単だ。

 ベルセルクは腰を低くし、剣を肩に担ぎ、自らの獲物へ向かって敵意を集める。


「ほう……もう勝負を決めるってか」

「お前には不満だろうが……次で決める」

「ハッ! やれるもんならやってみろ」


 ウールの顔は自信に満ちていた。それは油断でも余裕でもない。慢心など一切なく、あるのはただ自分に立ち向かってくる敵を叩き潰すという殺意だけ。

 それでいい。そうでなくてはならない。

 ベルセルクは改めて意識を集中させる。目の間にいる敵。『鉄拳』の異名を持つ殺人鬼、ウール・ヴヘジン。それを確実に倒し、潰し、殺すには何をするべきなのか。

 全てを整理し、導き出した。

 後はただ、その時を来るのを待つだけ。

 再びやってきた静寂。しかし、その空気は先程よりもより研ぎ澄まされていた。

 そして、その沈黙は早くも打ち破かれる。


「っ!!」


 先に飛んだのはベルセルク。コンマ数秒遅れてウールが迫る。

 ベルセルクはウールの顔面目掛けて『裂破』を放とうと考えてた。だが、先程と同じ様にしてしまえば、また『轟衝拳』で相殺されてしまうのは目に見えている。

 ならば、だ。相殺された後に素早くもう一撃の『裂破』を放てばいい。『轟衝拳』は威力の高い技であるが、しかしそれ故に連続で放つことができない。ウールと組んでいたベルセルクはそれを知っている。そこを狙う。

 連続での『裂破』は体に大きな負担をかけ、威力も落ちる。だが、それでも直撃させればウールを倒すことは可能だ。

 そしてついにその時はやってくる。

 担がれていた剣がウールに向かって襲いかかる。そして当然のように『轟衝拳』によってはじき飛ばされた。

 ここまでは予定通り。

 ベルセルクは弾き飛ばされた剣の柄に力を込め、無理やり引き戻す。そして、無防備なウールの体に渾身の一撃を……。


 ドンッ、と単純にして豪快な音がベルセルクの耳に入った。


 と同時にベルセルクの全身に激痛が走り、彼の意識を刈り取ろうとする。しかし、その一歩手前で彼は止どまり、その状態で吹き飛ばされる。数回地面にバウンドし、そのまま砂煙を出しながら止まった。すぐに立ち上がろうとするもそれはかなわない。どうやら肋骨の一部を完全にやられたらしい。


「くそ、が……」


 吐き捨てなあら先程とは比べ物にならない程の大量の血が口から吐き出される。ぶちまかれるそれが自分のものだと理解はしているが、実感が沸かない。

 そんな彼の前に、死神が降り立つ。


「『轟衝拳』は連続で放てないとでも思ったか?」


 それは死刑宣告のようなものだった。


「確かに、同じ腕で『轟衝拳』を打つのは不可能だ。ありゃあ負担が大きすぎるからな。けどよ……人間の腕っていうのは何も一本じゃねぇだろ?」


 それは単純にして明快な答え。

 つまりウールは最初放ったのとは別の腕で攻撃しただけであった。


「でもまぁ、それでもオマエを殺しきれなかったのはオマエの実力だろうな。さっきの柄の攻撃でこっちの骨にひびが入っちまってるようだ。そのせいで威力が落ちたんだろう。全く、相変わらず悪運は強いな。まぁ……その悪運もこれまでのようだが」


 パキポキッ、とウールは骨を鳴らす。


「楽しかったぜ、オマエとの殺し合い。最期に何か言い残すことはあるか?」

「……んなもん、俺が用意してるとでも?」

「ハッ、そうだな……こりゃあ愚問だった」


 そうして、ウールは拳を構える。渾身の一撃を放つつもりだ。

 あれを喰らえばベルセルクは確実に死ぬ。それは確定事項だ。にも拘らず、ベルセルクの心に恐怖は全く存在しなかった。

 ベルセルクは剣士であり、今まで何人もの人間を殺し、魔物を葬ってきた。そんな自分がまともな死に方ができるわけがなかった。街中で通り魔に刺されたり、戦場に誰にも知られず孤独に死んだり、それとも毒を盛られて苦しんで死ぬ。そんなものだと思っていた。

 だからこそ、だ。

 ウール・ヴヘジンに殺されるというのなら、別に構わないと考えていた。

 ウールになら、自分と同じような存在である彼女になら、その最期を与えてもいいと思えた。

 ふと、ベルセルクは思い出す。

 自分が止めをさしたあの男もまた、こんな気持ちだったのだろうか。

 こいつになら殺されても構わない、と。

 もしそうであるならば、何故そう思ったのか。その真意は何だったのか。死の淵に置いて出てきた疑問はしかしてその答えを知ることはできない。


「じゃあな、ベルセルク。先に行ってもらうが、気にするな。どうせその内オレもそっちに行くだろうよ」


 その不敵な笑みは自嘲しているようにも見えた。

 そうしてウールは全てを粉砕する一撃を放つ。

 ……はずだった。


「……おいおい、マジかよ」

「……?」

「どうやら神様って奴は本当に気まぐれな奴らしい。こんなことを引き起こすとはな」


 意味が分からないその一言を聞き、ベルセルクはその視線の先を目にする。

 そこには青色の短髪の人間がいた。

 そこには背丈の低い、少年のような少女がいた。

 そこにはベルセルクの見知った弟子がいた。

 そこには……


「師匠!!」


 バカみたいに大声でベルセルクを師匠と呼ぶシナン・バールが立っていた。

 そして神は告げる。

 愚者の物語はこの程度では終わらない、と。

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