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勇者の師匠  作者: 新嶋紀陽
第二章
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 ……ってなわけで、王女とその召使は勇者一行に助けられ、やむなくを得たってことだ。

 どうだい? 少しは眠く……って、寝てるし。

 あー。これだから子供は分からないねぇ。自分から聞きたいって言っておいって、途中で寝るなんて。まぁ、眠らすために読んでたから当然と言えば、当然だけど。

 にしても、あれだね~。こいつ、ホント両親にそっくりだわ。顔つきとか、髪とか、体格……はまだそんなに近くないな。うん。

 流石は、似た者同士の子。両親同士がそっくりなら、子供も似たようになるとは思っていたけど、まさかここまでとはねぇ。ホント、意外だわ。

 さて、私もそろそろ……って、おやおや? ようやく帰ってきたのかい?

 すまないねぇ、子供がいるのに、こんな時間にお遣いさせて。

 ん? 子供はどうだったかって? ああ、お話を聞かせたらぐっすり眠っちまったよ。『アンタ達』の話をね。

 まぁ、いろいろと私なりの独自の解釈ってのを入れたがね。ああ、心配なさんな、アンタ達の名前は出してないから。

 しかしまぁ、アンタ達も大変だったねぇ。

 あの馬鹿に振り回せれて、ここまで来るのに相当苦労して、そんでもってこんな所で働かされたんだから。っていうか、いつの間に私はあいつにツケなんてものを作らされたのやら。

 全く、本当にあの馬鹿ときたら、嘘を付くなら、もっとマシな嘘を付けってんだい。しかも、手紙に『よろしく頼む』しか書いてないんだから、こっちもビックリだっての。

 え? 迷惑だったかだって? そりゃあそうさ。いきなり子供を二人も押し付けられたんだからね。何のこっちゃと戸惑ったよ。

 まぁ、人手も足りないと思ってたし、上の部屋が空いてたから住み込みでもちょうど良かったし……おかげで、楽しい日々を送らせてもらってるしね。

 それに、子供の出産だなんて、大変だが大事な場面にも立ち会えることができたんだ。いい経験をさせてもらってるよ。

 ただ……自分より年下の奴らが子供を産んだってのが、ちょっとばかし心の響くけど。

 ……なーんてね。冗談だよ、冗談。そんな真剣な面しなさんな。……って、ちょっと、本当にどうしたんだい、二人そろって暗~い顔して。葬式でもやるつもりかい?

 え? 私に感謝してるって? んでもって、迷惑をかけてすみませんだって?

 よしてくれよ。それこそ、お互い様だっての。

 これでも、ホントに楽しい毎日を過ごしてるんだ。まるで、子供ができたみたいな感じで。アンタ達には感謝してるんだ。こんな私でも、家族が持てたような気がしてね。それが、無償に嬉しくてたまらないんだ。

 全く、こんな状況になるなんてこと、夢にも思わなかったよ。

 って、何か老後のババァみたいなこと言っちまった。こんな事を言いたかったわけじゃなにのに……。

 あ~、つまりはだな、その、何だ……とにかく! 私たちはアンタ達に感謝してるし、楽しい思いもさせてもらってる。だから……負い目とか、そういうの、感じて欲しくないんだ。

 それに、あの馬鹿がそんな顔みたら、私が嫌味を言われるんだよ。お前は、世話を頼んだ人間をこんな暗い顔にして平気なのかって。

 ……いや、まぁ、確かに普段のアイツからはそんなこと、微塵も考えられないだろうけど……いや、普通の時、以外でも信じられないか。

 でも、アンタ達も知ってるだろう? アイツはあんな感じだが、それでも、微かで微弱でミジンコ並ではあるが、人を思いやるくらいのことはできるんだよ。

 なーんて、思ってもないことを言ってみたり。

 あーあ、やっぱりこういうことは慣れてないわ。私は先に寝るよ。

 ああ、そうだ。

 レン、リリア。

 幸せになれて、良かったね。

二章完結です。

一章とは違って、四ヶ月程かかってしまいました。これはあまりにも遅すぎですね。三章ではもっと速くしていきたいと思っております。

しかし、三章の方はまだストックがさほどないので、もしかしたら、一ヶ月程投稿しなくなるかもしれません。

三章が終わった後は、新作も出していきたいと考えていますので、そちらの方もよろしくお願いします。

感想、ダメ出し、誤字の訂正、何でも待ってます。

それでは!

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