09 次の日
「神さん、すんませんでしたなぁ。昨日はみんなで盛り上がってしもて。
それでね、神さん。今日はね、友達を連れてきたんですわ。ちょっと会うてもらえませんやろか。
いやね、昨日盛り上がってる時に、ポロッと神さんのことを口に出してしまいましてね、ほんだらそいつ、そんなええ人おるんやったら、是非俺にも紹介してくれってうるさいもんでして。おい、来い来い」
「あ、どうもはじめまして。あなたが神さんですか。こいつに聞いたんですが、何でも子供一人につき、月5千円で面倒みてくれはるとか」
「5千円?」
「アホ! そのことはええねん! 黙って連れてこいや!」
「お、おお、そうやな……おい、ケンタにショウタ、こっち来いこっち来い。ほら、挨拶せんか挨拶。これからこの人がお前らの面倒見てくれはるんやからな」
「ま、そう言うことですんで神さん、一つ頼みますわ。ほんだら!」
「あ、ああ、ちょっと……行ってしもた。
月5千円て……ははぁ、自分の懐に入れるつもりで、そない言いよったんやな……
そやけどまいったなぁ……いきなり三人になってしもたがな……まぁええか、一人も三人も今更変わらんか……
ケンタくんに……ショウタくんやったな、入り入り。
トモコちゃん、お友達が出来たで。今日から四人で一緒に遊ぼな」
「うんっ!」
「……ああ、おやつ、持ってきたの……何これ、柿の種にピーナツ、スルメ……酒のあてばっかりやないのこれ。
いっつも、ああそう、こんなんばっかり食べてるの、そう……なんちゅう親なんや、ほんま……
こんな筈やなかったのになぁ……」