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02 次の土曜日

 


「おっ……おうおう、今日はええ調子で出るわ出るわ、この前の仕返しかいなおいおい。

 こんだけリーチ目来とるんやさかい、もう一発ぐらい来そうな感じが……よっしゃ来た!」


「大当たり」の文字が派手に現れ、モニターが一気に賑やかになった。景気のいい音楽と共に、玉が景気よく出てくる。

 まるでおじいさんが座っているその場所だけが、祭りの世界にでも転移したかのような賑やかさだった。





「いやはや、勝った勝った……こんだけついとるんやさかい、もぉちょい粘ったらまだ来そうやけどな……ってのが罠なんやろ、知ってるで、知ってる知ってる。そろそろ腰にも来てるしな、今日はこんぐらいにして……」


 店員に玉を運んでもらい、清算を済ませたおじいさんが、景品交換所に向かおうとした時、見覚えのある顔をみつけた。


「あら、この前の、トモコちゃんのお父さんやおまへんか」


「……あ、ああ、この前はどうも」


「いやいやとんでもないです。ほんで……どないでっか、調子は。

 出まへんの、大変でんな……そうや、わてが座ってた57番台、まだわての荷物置いてるさかいにな、誰も座ってへんと思いますわ。よかったらあっちに行きはったらどないです?多分まだ出ると思いますで」


「あ、そうっすか、すんません。ほんだらその台、打たしてもらいますわ」


「奥さんも来てはるんでっか」


「ええ、あいつはスロットの方で」


「そうでっか……ところで、トモコちゃんは?」


「ああ、トモコなら、駐車場かどっかで遊んでると思いますわ」


「そうでっか……ほんだら、ま、頑張ってくださいな。お先に」




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