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とりあえずの方針

シュウとアマカ、赤竜の爪の一行は素材収集ギルドの建物を後にした。


「ごっはんー、ごっはんー」


アマカは浮かれながら、メリナスと小躍りしている。


「ところで、シュウ。宿はどうするんだ?いつもの一人用じゃマズイだろ?」


「あぁ、そうか。それもあったね。アリオス達の常宿に空きがあれば、そこにするよ」


一行は、宿の手配を済ませると、食事に出かけて行った。




素材収集ギルドの会議室には、ジェラルド、オックロード、アルシュエル、アーベンの4人が残っていた。


立会人の職員は、ジェラルドが箝口令をしき、退出している。


「アーベン君から面白い連絡を受けて、飛び出して来てみれば、まさかの事態に遭遇だよ。ここまで驚いたのは何十年かぶりだよ。まったく良い迷惑だ」


そう言うと、アルシュエルは肘をついて、ふて腐れてみせるが、残りの4本の腕が忙しなく動いている。


「その割には、楽しそうに見えますが」


ツッコミを入れるアーベンに、アルシュエルは目を合わせると、ニヤッと笑みを浮かべた。


「しかし、どうするおつもりですかな?シュウはとても誠実で正直な男です。長年取引をしてるので、そこは保証できます。だからこそ、今回の話は対応が難しい」


オックロードは、ひどく心配した様子で3人に問いかけた。


「何もしない訳にはいかないな。まずは現地調査を行う必要があるだろう。ギルドの方から信頼できるパーティーに依頼を出す。船の手配をお願いして良いかな?それとシュウ達については…」


ジェラルドは、眉間に深いシワを寄せると、続く言葉を出せずにいた。


オックロードは船の手配に了承を示し、同様に考え込む。


すると、アルシュエルがシュウとアマカをエンドラ王国に招待すると言い出した。


「なーに、悪いようにはしないって。私の客人扱いで観光気分で来てもらい、合間にちょっと検査させてもらうだけだよ。王立魔法研究所になら設備も揃っているし、なにより教会に預けるより、何倍も快適だ。大丈夫、責任は私が持つよ」


代案の浮かばない3人。


「現状はそれが一番ですかね」


「そうですね。では明日、その方向で話を進めましょう」


「そうなると、しばらくはシュウの納品が無くなりますね。はぁー」


こうして、この日は締めくくられた。





職員の控室では…


「あら、報告会は終わったのね。お疲れさまー。ってどうしたの?顔色悪いわよ」


「大丈夫。想像以上に話が重かっただけだから」


「ふーん、どんなの?」


「言えない、箝口令出された」


「マジで!」


「あっ、でも、秘密を共有してると思うと、ちょっと素敵かも!」


「逞しいね。それと私の心配を返せ」



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